◆サプライチェーン・セキュリティ対策
  米国関税局の新たなセキュリティスキーム(C-TPATとCSIについて)
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EUの動き
2003/01/30

1月23日、欧州委員会は、EU閣僚理事会に対して、米国とコンテナ・セキュリティ協定(Container Security Agreement)を交渉するよう正式に提案した。

提案されている交渉は、1997年EU-US税関協力協定(1997 EU-US Customs cooperation agreement)の改訂につながるものであり、既に米国といくつかのEU加盟国(オランダ、ベルギー、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ)とで合意されたCSIに置き換わるものとなる。

欧州委員会は国際貿易の安全確保目的で、よりコーディネートされたアプローチを確保することを希望しており、以下の内容を含むものとされている。
  • ハイリスク貨物を確認するためのキー情報の定義、及びリスク・マネージメント・技術の効果的な適用を確実にするため、関係当局間での情報収集・交換の仕方
  • 管理のための共通定義の確立、及び、かかる定義がどのようにハイリスク貨物の移動を確認するのに使用しうるかに関する合意の確立
  • マルチでの協議においてこれら問題点を扱う際のポジションの調整
  • 国際的なコミットメントに基づいて上記行動を実施するための共通アプローチの開発

欧州委員会の見解は、概要以下の通り。

欧州も米国と同じ程度にテロリストの攻撃を懸念するものであるが、欧州一体としての対応は2国間合意によるものよりも効果的である。現在までのところ、米国関税庁はごく少数のEUの港を選び出しているに過ぎないので、2国間合意ベースのアプローチは貿易のダイバージョンと競争上の歪みをもたらす可能性がある。(欧州委員会は昨年12月17日に、米国とCSIに合意署名したEUメンバー6カ国に対して法的措置を取ると発表している)。

EU向けのコンテナ貨物について米国港でスクリーニングをするという相互主義的条項を欧州委員会は主張すると予想される。これは欧州と米国の港湾管理のレベルと水準を等しくする目的からである。なお交渉は2月初旬に開始される見通し。

以上


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