9月26日、わが国財務省関税局は、海上コンテナ安全対策(CSI)を試験的に実施すると発表した。テロ対策等の観点から、米国関税庁と相互主義に基づき、下記の原則に従って試験的に実施されることとされているが、具体的なスケジュール等についてはまだ発表はない。
本件に関する財務省の新聞発表記事は下記URLで入手可能。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kanzei/ka140926.htm
CSIの試験的実施に係る原則
(財務省のホームページ・「新聞発表」から)
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両国税関当局は、日米税関相互支援協定の枠組みのなかで二国間の税関協力を強化する。
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両国税関当局は、出来るだけ早く危険度の高いコンテナの特定、選別等を行うための情報交換及び緊密な共同作業を行う。
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東京港、名古屋港、神戸港及び横浜港を対象に米国税関職員が派遣される。また、我が国税関当局が指定する米国の港湾を対象に我が国税関職員が派遣される。
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両国税関当局は、この試行が効果的、効率的に行われ、相互の利益が確保されるよう緊密に協議する。
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両国税関当局は、この試行の後、海上コンテナ安全対策(CSI)を本格的に実施するか否か、その実施対象港を更に拡大するか否かについて決定する。
米国関税庁のプレスリリース
(9月25日付け、http://www.customs.treas.gov/hot-new/pressrel/2002/0926-00.htm)
日本のCSI試験的参加について、米国関税庁もプレスリリースで伝えている。プレスリリースの要旨は下記の通り。(日本機械輸出組合事務局仮訳)
- 今年1月から開始されたCSIは、世界の通商に最も重要な海運のセキュリティを強化するよう考案されたものである。米国の輸入額の約50%は会場コンテナによるものである。
- 年間570万の海上コンテナが米国へ輸入されているが、これらの約68%は20大港からのものである。これにより、米国関税庁は、先ずこれら20大港に焦点を当てたのである。
- 米国関税庁は小規模な検査官チームを日本に駐在させることになっている。この駐在検査官チームは日本の税関当局と協力し、米国向け海上コンテナに対して共同で作業を行う。米国チームの支援を得て、日本の税関当局が、潜在的なテロリストのリスクがあると認められたコンテナのスクリーニングを責任を持って行う。
- 東京港、名古屋港、神戸港、横浜港が20大港の中に入っている。米国へ輸入される海上コンテナの約8%が、これら日本の4大港から出荷されたものである。
- 日本の他、カナダ、オランダ、ベルギー、ドイツ、フランス、シンガポール、香港でCSIを実施するところである。米国関税庁は現在、欧州、アジアを含むいくつかの国と、CSI参加の港湾ネットワークを拡張すべく協議を行っている。
合意書を取り交わす、田村関税局長と
ロバート・ボナー米国関税庁長官。
(米国関税庁ホームページ・プレスリリースから)
米国関税庁、ロバート・ボナー長官のステートメント要旨
- CSI参加について日本の関税局を称えたい。今回の共同宣言は、世界貿易システム全体のセキュリティ確保を支援するものであり、就中、日米間での貿易のセキュリティ向上をもたらすものである。
- 日本の関税局がCSIに参加したことの重要性はいくら強調しても足りない。日本の主要港の参加により、対米コンテナ輸出の多い20メガポートのうち11港がCSIを実施することになる。しかし我々はこの20大港でとどまるものではない。・・・これら20大港はCSIプログラムの終了ではなく、始まりを表している。
以上