◆サプライチェーン・セキュリティ対策
  米国関税局の新たなセキュリティスキーム(C-TPATとCSIについて)
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航空貨物事前申告ルール・素案
2003/01/22

1.米国財務省及び関税庁による公聴会開催と素案

昨年12月から実施されている海上コンテナ貨物の24時間前申告ルールとは別に、2002年通商法(Trade Act of 2002、Public Law 107-210)セクション343(a)に基づいて事前申告ルールの策定作業が始まっております。

同法では、米国の輸入と輸出の両方について海上、航空、陸上等すべての輸送モードを対象として、同法成立から1年以内にEDIによる事前申告ルールを公布(Promulgate)することを財務長官に義務つけています。また、財務長官は、ルール策定に際して、利害関係者、とりわけ輸入者、輸出者、キャリア、ブローカー、フォワーダーと協議しコメントを募ることが義務つけられています。これにのっとって下記表1のスケジュールで公聴会(Public Meeting)が開催され、それぞれの輸送モードに対する事前申告ルールの素案(Strawman Proposal)が示されています。

表1.事前申告ルール策定に関する公聴会スケジュール
輸送モード 公聴会開催日 素案掲載URL
航空貨物 1月14日 輸入 www.customs.treas.gov/02trade/docs/air_inbound.doc
輸出 www.customs.treas.gov/02trade/docs/air_outbound.doc
トラック 1月16日 輸入 www.customs.treas.gov/02trade/docs/truck_inbound.doc
輸出 www.customs.treas.gov/02trade/docs/truck_outbound.doc
鉄道 1月21日 輸入 www.customs.treas.gov/02trade/docs/rail_inbound.doc
輸出 www.customs.treas.gov/02trade/docs/rail_outbound.doc
船舶 1月23日 輸入 www.customs.treas.gov/02trade/docs/vessel_inbound.doc
輸出 www.customs.treas.gov/02trade/docs/vessel_outbound.doc

2002年通商法343(a)項による事前申告ルールは今年の夏以降に発表されてくることになります(現在示されているものは素案であって、直ちに実施されるものではありません)。

輸入貨物について提案されている事前申告時間を纏めると表2の通りです。

表2.事前申告時間素案
輸送モード   申告条件 申告時間
航空貨物 エクスプレス・クーリエ 積込み前 8時間前
その他の貨物 積込み前 12時間前
トラック   積込み前 4時間前
鉄道   外国駅出発前 24時間前
船舶   積込み前 24時間前

2.輸入航空貨物の事前申告ルール素案(要旨)
ゴール(GOAL):
  • 全てのキャリア、デコンソリデーター、フレイトフォワーダー、及び何社かの宅配輸送(エクスプレス・クーリエ)は、電子貨物デクラレーション情報を事前申告するためにAAMS(Air Automated Manifest System)を利用することが求められる。
  • 航空貨物に係わる事前申告時間の提案として米国関税庁は以下の通り提案する。
    ①クーリエ貨物出荷:積込みの8時間前
    ②その他貨物出荷 :積込みの12時間前

詳 細(DETAILS):
  • 輸入キャリアは、マスター・エア・ウェイ・ビルのための完全なエア・ウェイ・ビル(以下AWB)情報を持つ。また、キャリアは、その施設からハウスAWBレベルで貨物を配送する際には、完全なハウスAWB情報も持っておく。デコンソリデーター、フレイトフォワーダー、オンワード・キャリア、コードシェア・キャリア、宅配業者(express consignment operator)は、それら施設へ配送される貨物のハウスAWB情報を持つことになる。これら関係者は税関への情報申告のためにカスタムス・ボンドの確保しAAMSに参加することができるだろう。これら関係者のいずれかがこの要件を満たすという選択をしなかった場合、全ての情報を輸入キャリアへ提供しなければならない。これは、輸入キャリアがAAMSを利用して情報を税関に申告することになるからである。既に税関が承認を与えた電子マニフェストシステムを有している宅配業者(エクスプレス・クーリエ)は、当該システムの利用を続けてよい。それ以外のクーリエ業者はAAMSを利用しなければならない。
  • AAMS参加者は、Customs Automated Manifest Interface Requirement-Air documentで規定されているデータを申告しなければならない。さらに、下記に例示されるような追加的データ・エレメント入力のためにプログラムが変更されることになる。追加データ・エレメントの例:危険物インディケータ、出発空港、出発スケジュール(日時)。全てのエア・キャリアは、直行到着するすべての米国空港のAAMSに参加しなければならない。キャリアは、すべての積み替え(Transit)及び保税輸送(in bond movement)許可を電子的に申請するためにAAMSを利用する。
  • 米国税関は、AAMSを通じて次のメッセージを返す。
    (1)セキュリティの観点から一部貨物(Certain Cargo)に対するホールド。
    (2)申告された積込み許可決定についてデータが不十分であること、及び税関の分析のためによりよいデータを提供しなければならないこと。

移行戦略(Transition Strategy):
  • 一部の貿易関係企業はAAMSに参加した経験がなく、したがって(コンピュータ)のハードウェア・ソフトウェアを購入・開発する必要がある。全ての関係者(Parties)は、データ・クオリティ要件を満たし規定された時間内にデータを提供するための方法を確立することが必要である。キャリアは、一部貨物(Selected Cargo)が確実に航空機に積込まれないようにする手続きを開発する必要がある。
  • 実施準備期間(Phased- in Transition):現行のAAMS参加者は、ファイナル・ルール発表後3ヶ月以内に、データクオリティ要件とカットオフ・タイム要件を満足させることが求められる。AAMS非参加者は、ファイナル・ルール発表後2ヶ月以内に電子マニフェスト情報申告を開始することが求められ、3ヶ月以内にデータ・クオリティ基準を満たすことが求められる。

以上


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