ブラジルにおける貿易・投資上の問題点と要望
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本表の見方 |
11. 利益回収 |
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経由団体※ |
問題点 |
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈 |
要望 |
準拠法、規則、運用 |
| 自動部品 日機輸 |
(1) サービスの海外送金規制 | ・技術ライセンス契約への制約が多い(契約期間が最大5年間、ロイヤルティ料率上限が売上高の5%以内といった制約あり)。契約書の発行には、国立産業財産権院(INPI)への申請・登録、及び中央銀行への登録が必要。特にINPIへの登録に際しては、契約書内容の詳細な確認、審査が行われ時間を要する。 送金の際には源泉税12.5%に加え、PIS/CofinsやISSといった様々な課税がなされるリスクがある。この課税に対する解釈も弁護士や会計士によって異なり、常に税務リスクを抱える。 ・技術製造ライセンス行使の際に発生するロイヤルティ対価については、売上額の5%が上限と規定されている。業界によっては3%程度しか認められないケースもあり、ブラジルへの投資に見合ったリターンが得られない。さらに、送金期間も5年間に限定されている(1回のみ5年の延長が可能)。 ・ブランドロイヤルティライセンスについても税控除が売上の1%を上限とされている。 ・いずれのロイヤルティの海外送金にも、国立工業所有権院(INPI)への申請、契約の登録、及び中央銀行への事前登録が必要で、煩雑な審査の上、許可までに相当な時間を要する。 ・製造業にとって、同じ製品には製造技術ライセンスかブランドロイヤルティライセンスのいずれかしか認められないのは問題である。 |
・制限の撤廃。 ・契約認可手続きの簡素化。 ・税制の簡素化及び税率の削減。 ・非居住者に対する継続的な技術「使用」に対する対価の支払いを認めて頂きたい。 |
・外国資本及び海外送金に関する法律 ・Section355, Income Tax Regulation (“Regulamento do Imposto de Renda”) ・Section 74 Law 36.470 of 1958 ・Section 12 Law 4.131 of 1962 ・Section 6 Decree-Law 1.730 of 1979 |
| (対応) ・ロイヤルティを送金する際には様々な課税がなされ、サービス契約になるとPIS/Cofins やISSといった課税がなされる。また、PIS/Cofins やISSなどの課税に対する解釈は弁護士や会計士によっても異なり、その結果、海外送金に関する課税の実態はケース・バイ・ケースとなっている。 ・送金にかかる課税: ��IRRJ (Federal Withholding Tax): 12.5%:(連邦税)法人所得税−源泉課税(注)日伯租税条約に基づき15%→12.5%に軽減 ��CIDE (Contribution for Intervention on the Economic Domain): 10%:(連邦税であるが一部は州の財源に)経済的支配干渉負担金 ��Social Contributions (PIS/Cofins Import): 9.25% PIS(Social Integration Program):(連邦税)社会統合基金 1.65% Cofins(Contribution for the Financing of Social Security):(連邦税)社会保障融資負担金 7.6% ��ISS (Tax on Services): 2% to 5%:(市税)サービス税 ��IOF (Tax on Financial Transactions): 0.38%:送金税 ・特許および商標の実施または使用に対して、権利者に支払われ、かつ控除され得る実施料の額は、原則として販売価格の5%までに制限されている。 ・ブラジル企業は、中央銀行を通じて外国企業にロイヤルティを支払わなければならない。ブラジル企業は、中央銀行にブラジル通貨で資金を振り込み、中央銀行は、政府の国際収支の管理が可能となるよう、資金をUSドルに換金し外国への支払額を送金する。 ・中央銀行は、外国からの直接投資企業の本社への対外送金を全て中銀電子式システム(SISBACEN)の申告システム(RDE-IED:外来直接投資及びRDE-RDF:金融取引登録)を用いて申告するよう義務付けている。外国からの投資資金の受入れ、対外送金が中央銀行の電子式システムを通して行われることになる(法律4131/62号、政令55.762/65、中銀)。 ・利益送金、資本の本国送還、再投資登録は、外国投資の名目で中央銀行に登録された金額に基づいてなされるため、相当する金額が中央銀行に登録されていない場合、国外向け送金が制限を受ける。また、元の外資登録を超える外貨の金額は源泉所得税の対象となり課税される。 ・ブラジルでは1991年に所得税法が改正され(Law No. 8383/91)、関係会社間の国外送金の損金算入が可能になった(それ以前は、外国企業がブラジルに関係会社を設立しても、ライセンス料等の親会社に対する支払いの損金算入はまったく認められていなかった)。しかし、もともと外資法(Law No. 4131/62)で国外送金するロイヤルティの損金算入の限度額は5%と制限されており、91年に所得税法が改正された際、財務省令(Ordinance 436/58)を引用し、この規定に定める限度で、INPIに署名及び記録され中央銀行に登録された契約に基づく海外送金について損金算入を認めるものとした。INPIは、これを根拠に、損金算入の上限を超えたロイヤルティ料率を承認しない。よって、海外送金の損金算入にはINPIへの登録が前提となるが、この登録のためにINPIが課す条件(損金算入の上限をロイヤルティ料率の上限とする)を飲まなければならなくなり、結果的に、関係会社間での契約においては、ロイヤルティ料率は最大で当該技術に由来する純売上高の5%までしか認められないことになっている。 ・2003年8月27日付規範決議55号、INPI登録の技術移転や連邦収税局(RF)発給書類に基づく技術サービス付装置類売買、同一グループ内企業間技術協力、国内公権法人と外国法人間でかわされた外貨建証書、協定・協約の場合、技術アフターサービス関係査証を受けるに際して、技術移転プログラムまたは要員訓練プログラムの記入を要求している。 ・2006年7月以降、工業所有権院(INPI)は、商標要請処理のため電子ファイル・システムを実施してきた。特許権申請中の滞留を少なくするためINPIは、130名の特許審査官をさらに増員した。この結果、2008年度の最初の2ヶ月にINPIが処理した特許サービス件数は、20.88%増加した。2008年9月、世界知的所有権機関(WIPO)は、INPIを国際調査機関(ISA:International Searching Authority)および国際予備審査機関(IPEA:International Preliminary Examining Authority)として認知した。この認知によりブラジル特許の海外許可申請費用を削減するとともに、特許協力条約(PCT)に基づくブラジル特許の許諾件数を増大させることが期待される。 ・国際収支管理の一貫としてロイヤルティの海外支払いに政府が介入している。(ロイヤルティは原則売上げの5%が上限) ・5年を超える契約で更新をする場合、受益者は技術移転支払いを経費算入できない。 ・日本企業は、2009年2月以降、日伯貿易投資促進合同委員会において、技術移転契約に関する契約期間や守秘義務期間、ロイヤルティの上限の問題点をブラジル政府に提起し、改善要請を行ってきている。 ・2009年2、9月に開催された日伯貿易投資促進合同委員会を通じ、問題提起。伯側の一定の理解を得た。 ・ロイヤルティを送金するためには、INPIへ登録した後に、ブラジル中央銀行への登録も必要となる。 ・技術移転を伴わないサービス契約に伴う送金は、本来はINPIへの登録は不要であるが、市中銀行の判断でブラジル中央銀行への登録が拒否され、INPIへの登録を要求されたり、弁護士への相談を要求されたりすることがある。 ・送金可否の判断が市中銀行によって異なったり、INPIへの登録が必要かどうかの判断が弁護士や会計士によって異なったりすることが多く、サービス契約としてINPIへの登録なしで送金できるのか、それともINPIへの登録が必要なのかどうかで悩む企業が少なくない。 ・ランニングロイヤルティとは別に、本社が負担した技術支援にかかるイニシャルコストなどをロイヤルティとしてINPIに登録できたとしても、年率で売上高の5%上限を超えてしまう場合は海外送金が許可されない。 ・日本政府は、2009年〜2011年の間に開催された日伯貿易投資促進合同委員会においてINPIの指示によるロイヤルティ料率の上限や秘密保持期間の短縮の問題に関してブラジル政府に改善を要請してきた。 |
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| JEITA 日機輸 日商 |
(2) 複雑な税制による利益回収の困難 | ・従来より、ブラジルにおいては、輸入以外のモノの移動を伴わない債務(出張旅費資金支払など)の海外送金は認可されていない。以下のことから相当な債権未回収が懸念され、経理処理に苦慮している。 −送金規制は緩和の方向にある(2万R$迄の個人送金手続は簡素化されている)。 −ブラジルIRS提出の決議1214/11による個人のR$20.000までの送金の所得税の免税。 −教育目的の送金および医療費の支払いは所得に対する源泉徴収税非対象。 |
・根本的にブラジルの規制の撤廃を望む。 | ・中銀規制(CIRC2,685) ・Instrucao Normativa RFB 1645/16 |
| 日機輸 |
(3) 契約の変更 | ・ブラジル上下水道は市政府及び州水公社との契約となるが、一部のプロジェクトに於いて、市政府が一方的な契約の変更、契約の不履行、タリフ支払い停止等を行うケースが散見される。 | ・タリフ支払いを含めた契約履行。 ・契約が履行されなかった場合の、州政府、もしくは連邦政府への支払いリコース。 |
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| 日機輸 |
(4) 費用送金への課税 | ・日本人出向員に関して、日本側本社で発生している費用をブラジル現地法人から日本に送金しようとすると課税対象となることからこれまでは実施を見送っていた。 今後、このような費用(スプリットサラリー等)の非課税送金ができるようになるというブラジル政府の方針は打ち出されたが、運用については未だ不透明。 |
・本社への費用送金が非課税にて円滑に実施できるよう、運用ルールの策定をブラジル当局に依頼して頂きたい。 | |
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