タイにおける貿易・投資上の問題点と要望
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本表の見方 |
14. 税制 |
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経由団体※ |
問題点 |
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈 |
要望 |
準拠法、規則、運用 |
フル工 自動部品 日機輸 日鉄連 |
(1) 法人税務調査・更正の恣意性、還付の遅延 | ・タイ投資委員会(BOI)認定企業(=非課税)の通関業務をコイルセンターが代行するケースで追徴課税が発生した(法解釈の恣意性)。 ・税金の還付を受けるまでに長期間(1年以上)を要する。 ・VAT(付加価値税)の還付金の審査に時間がかかり、キャッシュの機会損失が生じている。 (日本と異なり税務署から納税者への還付が遅れても延滞金は支払われない。) |
・追徴課税中止。 ・査定や事務手続きの簡素化、時間短縮化。 ・審査の迅速化。 |
・The revenue Department's Depatmental Instruction NO. TAW PAW 4/2528により |
JEITA 日機輸 |
(2) 税法解釈の曖昧・不統一 | ・税務当局の税法解釈の相違や未熟さで、正規の税法が運用されないケースがある。 ・税法が曖昧であり、担当官の解釈により過年度の税務申告額の修正を求められる場合がある。 |
・より詳細な税法制定と、担当官に左右されない均質な運用を求める。 | ・タイ国税法典第27条 |
日機輸 |
(3) 高額な延滞金利(サーチャージ) | ・過年度修正の場合には、納税延滞金として1.5%の金利(サーチャージ)が求められる。 | ・サーチャージについては、修正内容に応じた利率設定を求める。 | ・タイ国税法 第27条滞納加算金 |
JEITA |
(4) 曖昧なPE認定基準 | ・得意先から、タイやインドネシアでのVMI(Consignment stock)在庫を持つよう要求されることが多いが、非居住者である場合、障壁や懸念が大きく対応できない。 AECの発足により、ヒト・モノ・カネの自由化を謳いながら、PEの問題であったり、外国企業に対する事業ライセンスであったり、障壁は残っており、各国国内法の整備が追いついていない。その結果、ASEAN域内でのより自由度の高いFlexibleな事業展開の足かせになっている。 |
・AECやFTAといった国際的な枠組みに準拠した各国国内法の迅速な整備。 | |
日機輸 |
(5) PEの有無に拘らず源泉徴収税の賦課 | ・日本タイ租税条約上、事業所得に関し、日本企業がタイにPEを保有しなければタイの所得税は課税されない規定になっているが、政府、国営企業が客先の場合、タイ国内のPE有無にかかわらず源泉徴収(1%)が課されることが慣習化している。 | ・タイ国内にPEが無い場合の課税廃止。 | ・タイ国税法典第69条の2 |
フル工 自動部品 |
(6) 先行き不透明な税制改正 | ・移転価格税制の文書化に関する法律は現時点で大枠は決まっているものの、税制改正の詳細や開始時期が未定。 詳細、開始時期が決定してから実際の実施までのリードタイムが短いと噂されている。 |
・各社が準備するための時間を十分確保してもらえるよう現地当局に要請頂きたい。 | |
建産協 |
(7) FZ認定要件の厳格化 | ・Free zone認定業者がローカル販売する際に免税申請の手続きがあるが、認定の要件が制度改訂のたびに厳しくなっている。協力会社から情報提供しにくい内容(原価など)となっており、手続きを断念せざる得ないことが増えつつある。 | ・申請者が申請ができる手続きか事前調査をしていただき、申請者が準備しやすい手続き条件を整備していただきたい。 | |
日製紙 |
(8) 画一的な個人所得税納税義務 | ・外国人が180日以上タイに滞在し、個人所得(給与・家賃)をタイ会社で支払う場合は、現地で納税義務が発生。回避するために、出張期間を短縮したり、日本側から直接家賃をTHB建てで毎月支払うなど対応が煩雑化。 | ・180日以上滞在者であっても、出張ベースの滞在であれば適用外とするなど特例を認めてほしい。 | |
日機輸 |
(9) 高率の源泉税率 | ・取引から得られる所得に比べ、源泉税率が高すぎる。 従って、必ず税金の還付ポジションとなり、資金負担を含め負担が大きい。 |
・対象となる所得の範囲を絞る、又は、税率を下げる等の措置を希望。 | |
日機輸 |
(10) Special Business Taxの課税 | ・為替及び資金取引に対してVAT/SBT(Special Business Tax)がチャージされる。 | ・課税を撤廃して頂きたい。 | ・関税法 |
日化協 |
(11) 原料を無償支給する際の税制及びその他法規制が不明確 | ・農薬(製剤品)をタイ農薬会社に委託製造し、全量をインド等の第三国に輸出している。現状その農薬の主成分(原体)を日本で製造してタイ農薬会社に有償支給しているが、タイ農薬会社の主成分の代金支払いの負担を軽減させるために、無償支給としたい。しかし、タイ国内では、原料の無償支給による委託製造の実績がなく、タイ農薬会社は無償支給を受け入れられない状況にある。 | ・タイでの委託加工貿易において原材料の無償支給した場合の税制及びその他の法対応の参考例の明示。 | |
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