メキシコにおける貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
16. 雇用
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
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(1) 就労ビザ取得・更新手続の煩雑・遅延 ・駐在員の就業ビザ取得に時間がかかる。 ・就労ビザ取得に要する時間を短縮して欲しい。 ・移住法
・査証制度の運用
    (対応)
・業務でのメキシコ入国には簡易VISA(180日、262pesos)が必要である。米国への入国は国境から75マイルは簡易VISA、それ以上は正式なVISAが必要となっている。
    (改善)
・2012年9月28日、移住法施行規則が公布され、施行規則156条に「3歳以下を除き、最長4年の範囲で複数年有効の滞在許可証を発行する」と規定されたが、滞在許可カード自体は毎年更新する必要がある模様。(2012年10月26日付JETRO『通商弘報』)
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(2) 前近代的な労働者利益分配金制度(PTU) ・会社の利益の10%を全従業員(役員除く)で、労働日数と所得額に応じて分配することが決められている。実績や能力による査定はなく、会社に在籍してさえいれば受け取る権利が発生する。
(現時点でPTUそのものの撤廃、改正の動きはないが、PTUに関連した動向としては、17年2月の憲法123条改正を受け、1年内に改正が必要な労働法において人材派遣業、雇用アウトソーシング行の合法要件が緩和される可能性はある。)
・労働法により税引前利益の10%を従業員に分配することが決められている。会社に在籍さえしていれば受け取る権利が発生する。
・従業員に会社の利益を一律に分配することを要求するPTU制度は一般的なものとは言えず廃止して欲しい。
・労働法により、税引前利益の10%が当該年度に在籍した従業員に分配されることが決められている。
結果として、従業員の評価に関わらず、在籍日数及び賃金レベルでの追加報酬が支払われる仕組み。
2012年進出時に確認した際、サービス会社を通じて雇用することにより、本体従業員を極小化し、PTUを管理することは法的にNGであるとの弁護士の見解がありサービス会社は設立せず実施、その見解は未だ生きているが、企業によっては別の解釈により、サービス会社を設立し、PTUをコントロールしているとの話もある。
あいまいな法律であるのであれば、明確にするか、廃止して他の明確な法律を策定してほしい。

・雇用面では、従業員の業務評価・能力に関わらず、企業利益の一部を従業員に均等に配分するPTU制度(利益分配法)が残存、従業員への適正な評価ボーナス制度の構築が難しい。またPTUにより、公平な雇用環境も損なわれ、支障をきたしている。
・メキシコでは課税所得(法人税上の税引前利益)に10%を乗じた額を労働者に分配するという制度がある。利益が出た年は多額のボーナスが従業員の手に渡ることになり、適正な人事政策が取れない。また投資の回収を株主に還元する、再投資するという基本的な資本主義の政策が成り立たない。
・報酬分配金の制度の撤廃。それが不可なら競争原理に基づいた改正。
・報酬分配金の制度の撤廃。
・PTU制度を廃止して欲しい。
・PTU制度廃止もしくは、見解の統一できる制度への変更。
・政府主導によるPTU制度の撤廃。
・PTU制度の廃止。
・PTU制度
・労働法
・メキシコ憲法第123条「労働基本権」の第IX項
具体的な内容は労働法第117〜131条
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(3) 有期雇用の可否 ・有期雇用は、季節性・臨時性のある仕事のみ認められている。 ・柔軟な要員調整が保証される制度を確立して欲しい。
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(4) 人材確保の困難 ・離職率が高い。またグアナフアト州は日系企業の進出ラッシュが続き、現業ワーカー、エンジニア、事務スタッフ、日本語通訳といった人材確保がますます困難になって来ている。
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(5) 駐在員在住許可証の取得、更新の遅延 ・駐在員の在住許可証の取得、更新に非常に時間がかかる。
更新申請期間中の海外渡航に都度特別な申請が必要となる。
(期限切れ30日前からしか申請を受け付けしないにも関わらず、出入国管理局は申請受付から30日以内に発行できない)
・ルールに基づいた正しい運用。
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(6) 183日未満の短期滞在者免税 ・国境を越えたビジネスの進展に伴い、人の移動もボーダーレスなものとなっている。その中で、183日以上1年未満の海外滞在が年々増えてきており、所得税の2重課税問題が頻発している。 ・183日という基準の見直しを図るよう世界各国に働きかけていただきたい。
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(7) 社会保障協定の未締結 ・社会保障協定の協定未締結国においては、海外駐在員は現地の社会保険に加入をしており、二重負担となっている。 ・協定締結の交渉を進め頂きたい。
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
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