英国における貿易・投資上の問題点と要望
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本表の見方 |
16. 雇用 |
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経由団体※ |
問題点 |
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈 |
要望 |
準拠法、規則、運用 |
時計協 自動部品 電線工 日機輸 日商 |
(1) VISAの取得・延長の困難 | ・国際企業にとって、要員の迅速な派遣は、事業の円滑・効率的経営に不可欠であるが、企業内派遣者およびその家族に関する労働滞在許可証取得に時間と手間がかかっている。 UKにおいては、労働許可取得時の申請料の増額が予定されており、安定した人材の派遣が難しくなってきている。 ・入国手続(書類審査、Entry Clearance発行等)はフィリピンにて実施されているが、書類の郵送に時間が取られる上、審査所要期間がまちまちであり、駐在員の赴任日設定に支障が生じている。 ・VISA(Tier-2 ICT)延長できる期間が最大5年、年収12万ポンド以上で最長9年であるが、ポジションや職種によっては5年以上の長い滞在が必要なケースも考えられるため、年収基準を撤廃願いたい。そもそも企業内転勤で滞在し、身元保証されている駐在員に対して、期間制限を設けるのは両国にとって理にかなわない。 ・英国は外国からの年間労働者数制限を目的に、就労VISAの総発給数を制限している為、必要なスタッフが確保出来ない場合が想定される。日本からの出向者の大半が当てはまる第2階層(Tier2)のVISA発給数は27,000人(2013年4月〜2014年4月)で事前に身元引受証書(COS)の申請が必要。申請数が27,000人を超えると特定要件を満たした者(不足職業等)が優先され、それ以外はVISA受給は困難となる。また、Tier 2の最長滞在期間は5年(年収5万ポンドの場合は9年)と制限されており、プロジェクト計画遂行等に不都合が発生する懸念がある。 ・現在のTier-2 ICTは、その滞在期間が2011年より基本的に最長5年となっており、給与による緩和条項はあるものの、要求レベルが高く、製造で要求されるマネージャー、エンジニアレベルでは意味がないものとなっており、英国での経験を有効に活用できていない。 ・日本人駐在員のビザ取得条件が年々厳格化しており、取得に係る手間、費用も増している。 |
・労働滞在許可証取得の簡素化、迅速化、安定化を要望する。 ・東京での書類審査手続の実施。 ・必要書類、内容の明確化。 ・年収制限の撤廃。 ・延長基準の緩和。 ・多国籍企業の雇用者向け就労VISAの発給条件を緩和して頂きたい。 ・最長滞在可能時間の延長。 ・英国への人の移動に過度な制限をかけないようにしていただきたい。 |
・UK Border Agency ・入国管理法 ・英国移民法 ・Tier2 VISA ・査証制度の運用 |
(参考) ・英国内務省の国境移民局のウェッブサイト参照。 (https://www.gov.uk/government/organisations/uk-visas-and-immigration) |
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自動部品 日機輸 |
(2) 査証の取得時に要求される書類の厳格さ | ・就労ビザ申請時に戸籍謄本の翻訳と翻訳証明書を要求される。これらの書類については、申請日から1ヶ月以内のものを求められたが、時間的制約が厳しく大変だった。ビザ取得の条件や取得にかかる手間が年々増しており、2017年4月から費用も大幅に上昇する見込みである。 | ・就労ビザ取得を容易にして欲しい。 | ・査証制度の運用 |
日機輸 日商 |
(3) イミグレーション制度の頻繁な変更 | ・イミグレーション制度の頻繁な変更により、VISA取得や維持するための制度理解に相当な労力と時間を要する。 | ・現制度の一定期間の継続。 | ・入国管理法 ・英国移民法 |
日機輸 日商 |
(4) 事業譲渡に伴う雇用継続義務 | ・事業譲渡を行う法人の従業員を、事業譲受する法人が継続雇用する義務があるため、生産性の高いオペレーションの提供、投資および外国企業進出の足かせになっている。 | ・TUPE撤廃。条件の緩和。 | ・Transfer of Undertakings Protection of Employment (TUPE, 英国) ・2001/23/EC |
日機輸 |
(5) 現代奴隷法施行による実務的負担に対する懸念 | ・同法の対象となる企業の範囲等が完全に明確になったわけではないが、基準は概ね示された(改善点)。 同法で対応を求められている、サプライチェーンにおいて奴隷労働が存在していないこと等を公表するStatementの作成及びそのための調査、社員教育に必要な追加実務は継続的に発生。 毎年上記Statementの公表が必要となるが、過年度Statementの公表方法のガイドラインが示されたことは評価できる(改善点)。 |
・社員の啓蒙教育に資するツールやガイドラインを継続的に提供してほしい。 | ・現代奴隷法 ・The Modern Slavery Act 2015 |
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(6) 最低賃金引上げ(賃金レベル高騰) | ・物価レベル、Living Wageを考慮し、設定される最低賃金は、EU他国との比較で非常に高いレベルにあり、高騰している。人に頼る工程が多い製造では、競争力が保てず、大陸側のビジネス確保が非常に困難になってきており、経営を圧迫している。 | ・物価抑制経済政策。 ・最低賃金上昇抑制。 |
・最低賃金法 |
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(7) 技術者の不足 | ・技術者の絶対数が需要に比べ少ない。製造の現地移管を図るに当たり、現地人技術者の絶対数が足らず大手の企業、賃金の高い企業からの引き抜きが頻繁に発生、安定したオペレーションの運営を困難としている。 | ・技術者の養成/育成と企業へのサポートの強化(特に教育・訓練)。 | |
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