中国における貿易・投資上の問題点と要望

12. 為替管理
経由団体※	問題点	問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈	要望	準拠法、規則、運用

JEITA フル工化繊協会自動部品日機輸日商日製紙日農工	(1) 海外送金規制の厳格・手続煩雑	・国家外貨管理局によるクロスボーダー人民元建て受払い、外貨支払・受取規制について、緩和されつつあるものの、依然として、人民元転や立替払い費用の外貨送金など様々な場面において煩雑な手続きなどにより不便を強いられている。外貨管理上、クロスボーダーの相殺の可否が不透明である。・海外への仕入支払について、外貨管理局の指導により銀行へのエビデンスの提出資料が増加し、送金準備に大きな労力が必要となっている。また、銀行でのチェックに時間がかかり、着金が遅れるなどビジネスにも支障が出ている。最近は虚偽による外貨送金に対して規制が強化されているが、ビジネス実態のある外貨送金にまで影響が出ている。また、通常の輸入取引に関しても、通関証明でのチェックが強化され、得意先からの通関番号の入手等事務負担が顕著に増加している。・上海市において、三国間貿易の外貨決済（送金）には、各種証憑が必要となり、手続きが煩雑となった。・核銷制度が廃止され従来より簡便化されつつあるが、依然、総量規制等の縛りが強い。また非貿易項目の外貨送金では送金目的により要求資料が多く、且つ実務上対応が非常に困難なものも残る為、手探りでの運営となっている。・中国政府の資本流出の抑制政策により、海外送金の規制が強化され、税務備案手続きが複雑となった。備案の提出から認許までに時間を要し、支払が遅延することとなる。特に日本への立替給与の送金がとても厳しくなり、今後送金できないリスクがある。・中国国内に設立した合弁会社から資本撤退することとなり、2016年12月に持分譲渡先の中国企業からの譲渡金（USD）の送金を待っていたところ、正当に送金申請されたにもかかわらず、中国当局の指導により、送金が許可されなかった。現時点（2017年2月上旬）においても送金が許可されない状態が続いている。・5万ドル以上の非貿易費用の外貨送金など様々な場面において煩雑な手続きがあり、規制回避/支払期日遵守のための時間やコストを要し、業務効率を大きく下げる要因となっている。例：税金を払ってからでないと送金できない。・2016年年末に、為替リスク回避のため、現行の円建て親子ローンの繰り上げ返済を検討したが、外貨登記段階で繰り上げ返済不可となっていたため、返済できなかった。2016年前半までは外貨登記内容を変更し、繰り上げ返済を実行することができたようだが、後半に入り元安が進行するとともに外貨規制が厳しくなり、登記内容の変更が不可となった。・海外送金に上限があり、中国政府により外貨送金の規制がより一層厳しくなっている。・海外での現地調査活動などの業務委託に対して、対価を予算ベースで支払って年度終了後に実績ベースでプラスマイナスを補正している。中国・ブラジル等では支払不足の場合は追加で日本円を送金できるが、支払過剰の場合は現地通貨を日本に送金できず、翌々年度の予算で調整となる。・現地法人より親会社に正当に支払われるべき対価であっても全般的に送金が困難である。開発費用など無形の成果物に対するロイヤリティ、PEに該当しない親会社よりの応援人員経費、更には出向者への支払給与の立替分まで送金困難で、これらの金銭的負担が結果的に親会社の利益をも圧迫している。・人民元で海外企業の費用を立て替え、海外企業から立替金を受領する場合、原則的に人民元でしか受領できない。中国内の企業が海外企業に立替金を払う場合、提出しなければならない書類（証明書等）が多い。	・外資企業に対する送金の原則自由化と手続きの簡素化を強く要望する。・クロスボーダー相殺の自由化また禁止・制限される場合は、その要件の明確化をお願いしたい。・外貨送金手続きの明確化と簡素化の実行。・規制の緩和、外貨貿易決済の改善等。・外貨入金・送金の自由化。・規制緩和、手続きの簡略化をお願いしたい。・（急激な外貨流出を防ぐための政策のようだが、）外貨送金のスムーズな運用を確保頂きたい。・規制の緩和と手続きの簡略化。・元のポジションにかかわらず、企業側の事情に応じて自由に繰り上げ返済できるよう、外貨規制を緩和してほしい。・内容について問題のない送金であれば、送金できる金額を緩和して欲しい。・外貨送金がきわめて困難のため、送金の規制を緩和してほしい。・標準的な国際貿易ルールに準拠すると共に、地域差や担当官員による見解の相違を無くす。・規制の緩和。・手続きの簡便化。	・外貨管理条例、「直接投資外貨管理をさらに簡素化することに関する問題についての通知」（2011年11月23日、国家外貨管理局）・外貨管理局「貨物貿易外貨管理試行手引きの実施細則」・貨物貿易外貨管理法規に関する問題の通知（匯発［2012］38号）・貨物貿易外貨管理法規に関する問題の通知・貨物貿易外貨管理制度改革の公告・外貨管理条例・外貨管理条例第四十条・外貨管理規制・銀行より電話での口頭要求
		(対応) ・2005年7月以降、中国人民銀行は、通貨バスケットを参考として管理変動相場制を導入してきたが、2008年9月以降世界金融危機に対応するため1米ドル＝6.8人民元台へのドルペッグに回帰した。・2008年8月5日、中国は「外貨管理条例」を改正・施行して、外貨での決済・支払いを行う企業に対する監督及び外貨銀行に対する監督を強化するなど外貨管理を強化した。一方、外貨流出規制の緩和を行った。改正された外貨管理条例は、一定の条件の下で海外における外貨収入を海外に存置することを認め、すべての外貨所得を人民元に替える規制を廃止し、経常取引により取得した外貨の保有を可能とした。・2010年6月19日、人民銀行は、人民元為替相場改革を更に推進し、人民元為替相場の弾力性を向上する方針を発表し、人民元の為替相場制度が対ドル固定相場制から通貨バスケットを参考にする為替変動相場制に転換された。・2012年8月より、貨物貿易外貨管理制度改革を全国ベースで実施し、①貨物貿易外貨モニタリングシステムへの移行、②外貨貿易決済システムを通じた総量監督への移行、③外貨管理規定の遵守規程に応じた輸出入企業のA、B、Cに分けた分類管理、④企業の輸出入通関データと貿易外収支データを総量で突き合わせるオフサイト検査、オンサイト検査等の制度を導入した。・2013年12月6日、国家外貨管理局（外管局）は、ホットマネー流入を警戒して「銀行貿易融資業務の外貨管理の完全化に関連する問題の通知」（匯発[2013]44号）を実施し、貿易融資、とりわけ90日超のユーザンス付きの貿易融資業務に対し、銀行が取引背景の真実性審査を強化することを求めた。
		(改善) ・2007年8月5日、外貨管理条例が改訂され、経常項目外貨集中制度が撤廃された。・2009年7月6日より中国と香港との間で人民元建貿易決済が実施された。人民元貿易決済の対象は、上海、広州、深せん、東莞、珠海所在の中国当局により認可された企業と香港、マカオ、ASEAN諸国との間の貿易取引のみ。・2010年6月17日、中国人民銀行ほか5つの政府機関は、『対外貿易の人民元建て決済の試行拡大の問題に関する通知』（銀発〔2010〕186号）を公布した（即日施行）。同通知は、一部の地域・国との貿易取引についてのみ認めていた人民元建て決済をすべての国・地域に拡大し、新たに18省（自治区・直轄市）をこの試験実施地域として加えている。中国政府が人民元の国際化推進のために行った今回の拡大は、一部の都市を対象とした試験計画（2008年12月－2009年7月）が開始されて以来の大きな措置である。・2010年12月1日、「輸入外貨支払い照合の改革関連問題に関する通知」が施行され、件別ごとの輸入照合作業が不要となった。・2011年1月1日から、輸出業者は一定の条件を満たせば輸出代金を外貨のまま海外の銀行口座に保有することが認められるようになった。・改善が図られた点としては、中国・日本間決済で人民元での決済が可能となった点が挙げられる。・2011年8月24日、貿易取引・サービス貿易取引の人民元建て決済可能地域が中国全土に拡大された（「クロスボーダー人民元建て決済地域の拡大についての通知」（銀発[2011]203号）。また2012年2月3日、輸出取引について輸出代金のクロスボーダー人民元建て決済が全企業に認められた（「輸出取引人民元決済企業管理の関連問題に関する通知」（銀発[2012]23号））。これにより、輸出、輸入決済を有する中国現地法人がクロスボーダー人民元建て決済を用いた為替マリー取引が可能となった。・2011年12月1日、「貨物貿易外貨管理制度の改革の試行措置の広告」およびその手引き、実施規則に基づき輸出受け取り照合制度の廃止がパイロット地域で試行した。・2012年8月1日以降、輸出外貨受け取りおよび輸入外貨支払い共に中国全土で照合手続きが廃止され、企業分類（A類、B類、C類）ごとの管理へと移行した。A類企業（コンプライアンスを遵守輸出入手続きを整然と行う企業）には外貨受け取り・支払い手続きを簡素化、B類、C類へと外貨受け取り・支払いの管理と手続きを厳格化している。管理方法を全件検査からモニタリングにより異常値を示した企業に実地検査登記を行う方式に移行した。（「貨物外貨管理制度改革に関わる公告」（外貨管理局公告2012年1号）・2012年8月1日、90日超の輸入延払い、輸出前受け決済等により発生する与信残高を登記により限度額を管理する貿易与信登記管理制度が停止され、代わって30日超の前受け、前払い、90日超のユーザンス回収、延払い、90日超のL/C方式等により決済する貿易外貨収支について報告を要するモニタリングシステムを導入して、前受け残高比率や前払い残高比率、ユーザンス回収残高比率、延払い残高比率について一定の基準を設けてそれを超える場合は実地検査（オンサイト検査）に移行する方式を導入した。（「貨物貿易外貨管理法規関連問題の通知」（匯発[2012]38号）・2013年7月24日、中国国家外貨管理局は、サービス業を対象に外貨規制を簡素化する通知（准発[2013]30号）を発表。 ①サービス貿易における外貨取引に必要な当局審査を廃止して、金融機関で直接行えるようにする。 ②5万ドル以下の少額サービス貿易について取引証明書の審査を原則不要とする。 ③それ以外の取引についても、現行の数10種類の審査規定を簡略化・統合する。主管機関の称号、届出文書の大多数の審査要求を廃止する。外貨受け払いの税務証明を廃止する。 ④「サービス貿易外為管理ガイドライン」及びその実施細則を定め、50余りの関連法規・文書を廃止し、対外業務主体によるサービス貿易の外貨手続に対し、系統的で明確かつ透明な法規的根拠を提供する。 ⑤国内機関のサービス貿易による外貨収入を国外で預け入れる条件を緩和し、企業・グループがサービス貿易の外貨収入を国外に集中して預け入れることを認める。 ⑥サービス貿易による外貨資金の流入と流出の双方向の監視を強化し、マクロ分析、中韓関し、ミクロ検査を緊密に結びつけた非現場監督管理システムを確立し、必要な現場チェック、検査を補助として、リスクコントロールを強化する。・2014年6月11日、中国人民銀行（中央銀行）は対外貿易の安定成長を支援するため、企業の資金調達ルートの拡大、個人貿易における人民元建て決済の承認、人民元為替レートの形成メカニズムの改善などの措置を実施する方針を発表した。・外貨管理局が舵取りをして、税関・税務局とのDATA共有化が進んできたので、輸入・輸出貿易に関わる送金・入金・増値税還付等の手続が簡素化されている。・中国国家外貨管理局は、2012年9月から北京および上海の選定された多国籍企業を試行企業として、指定された外資銀行及び国内銀行の口座を通じて、グループの外貨資金を集中的に運営管理するパイロットプログラムを試行してきたが、2014年4月18日、国家外貨管理局は「『多国籍企業外貨資金集中運用管理規定（試行）』の公布に関する通知」（匯発[2014]23号）を発行し、2014年6月1日から全国的にパイロットプログラムの適用を拡大した。・2014年、「上海?発[2014]26号」により手続きが簡素化された。・2018年11月23日、「自由貿易試験区の改革深化・革新の支持の若干措置に関する通知」を発布した。（http://www.gov.cn/zhengce/content/2018-11/23/content_5342665.htm）【金融改革の推進】：－自由貿易試験区における銀行業金融機構が、法令遵守・リスクコントロールが可能という前提において、国外機構のために人民元デリバティブ商品等の業務を行うことを許可する。－自由貿易試験区が、その特徴に合致する会計システムに基づいて、人民元クロスボーダー業務を展開することを支持する。

自動部品
日機輸

(2) 日本払支給与の送金困難

・日本親会社は日本での社会保険料を支払う義務があるので、給与計算を日本で行い、個人負担分を立替納付する必要がある。また、単身赴任の場合は留守家族用に日本で給与等支払いを行う必要もある。然るに、中国現地法人から親会社への立替金送金を許可されている会社とそうではない会社、地域が混在する。
2013年の国家税務総局公告第19号(通称19号公告)では、駐在員給与等の中国現法と親会社との金銭の送金を許諾していると解釈できるが、現在の為替運用方法と明らかに矛盾している。
・日本で採用された中国国籍社員については、中国で勤務する際に中国人民元で給与を支払うように指導され、日本の銀行口座に日本円で立替払いした場合には送金することができない。

・何等かの証憑類を提示する事で、親会社の立替えた給与等人件費の中国現法からの送金を許諾してほしい。
・通達等はなく突然変更されたものであり、不透明な運用をしないでほしい。

・外貨管理条例［2013］19号公告
･サービス貿易に係わる外貨管理法規（匯発［2013］30号）
・サービス貿易などの項目の対外支払税務備案に係わる問題についての公告［2013］40号

建産協日機輸日商日製紙	(3) 債権・債務の相殺の困難	・日本本社は中国子会社にサービスフィーを支払う一方で、中国子会社は日本本社に借入保証料を支払うことがある。中国から日本へ借入保証料を支払う際に、送金手数料の方が高いケースがある。相殺処理できないため、中国現地で非合理的な費用が発生してしまう。・親子会社間であっても債権債務の相殺が認められておらず、送金手数料等の費用が発生することとなる。・人民元売り･外貨買の為替予約を行う場合、5日ルール（外貨買い後5日以内に送金実施）がある。・日本親会社・中国子会社との債権債務の相殺が認められず業務工数が大。・認可された多国籍企業は、グループ間の外貨建債権債務の相殺が可能となったが、その対象は一部に限られている。余分な経費、事務処理を圧縮すべく、その範囲を拡大させて頂きたい。	・合理的な債権・債務相殺について、規制を緩和するように。・規制緩和により、親子会社間での相殺処理ができるよう要望したい。・為替リスクヘッジを妨げる要因であるため、見直して戴く。・親子間限定でも債権債務の相殺を認めて頂きたい。・規制の緩和、外貨貿易決済の改善等。	・「多国籍企業外貨資金集中運用管理規定（試行）」の公布に関する通知」（匯発[2014]23号）
		(改善) ・2014年4月18日、中国国家外貨管理局は、国家外貨管理局は「『多国籍企業外貨資金集中運用管理規定（試行）』の公布に関する通知」（匯発[2014]23号）を発行し、2014年6月1日から全国的に指定された外資銀行及び国内銀行の口座を通じて、グループの外貨資金を集中的に運営管理するパイロットプログラムの適用を全国的に拡大した。これにより認可された多国籍企業は、中国国内および海外のメンバー企業間の外貨建債権債務の相殺が可能になり、メンバー企業のクロスボーダーの外貨決済手数料および外貨交換にかかる手数料が節約されることになる。

日機輸

(4) 現地下請企業の海外調達に対する外貨送金規制

・中国国内プロジェクト向けに、サブコンとして中国企業(自社工場、合弁会社を含む)を起用する場合、外貨送金規制により、中国国内調達品に対しては外貨を受領できない。
やむなく中国企業とのコンソーシアム、Off/On portion契約分割などとせざるを得ず、実態にそぐわない契約形態、契約責任が曖昧、客先にとっても不便などの不都合が発生。

・海外企業との契約においては、外貨送金規制を撤廃。

建産協

(5) 急激な為替変動

・中・米・日の政策変更により、急激な為替変動が発生しており、中国からの輸出メリットの維持継続が困難。

・為替安定。
・為替予約手続きの簡素化。

日機輸

(6) 人民元建てクロスボーダー資本取引規制

・人民元建てのクロスボーダー資本取引（預け金・配当等）が人民銀行の承認事項となり、実質全て停止されている。

・クロスボーダー資本取引の自由化。

・人民銀行　銀発306号

日機輸

(7) 中国内の非融資性債権に対するクロスボーダー担保制限

・中国内取引に対するクロスボーダーでの担保（外保内貸）について、融資性債権に対するものに限定されているため、通常の売買取引等におけるクロスボーダー担保が認められない。

・中国内の非融資性債権に対するクロスボーダー担保の自由化をお願いしたい。

・「クロスボーダー保証外貨管理規定」公布に関する通知（［2014］29号　国家外貨管理局）

日機輸	(8) クロスボーダープーリング規制の不明確	・税務当局が銀行を集めた説明会において、口頭説明のみで説明内容について文書による通達がないことが多く、各種措置の強制力や判断基準が不明確となり、対応に苦慮することが往々に発生する(域外貸付取扱規制等)。	・明確な文書化（通達）をお願いしたい。
		(対応) ・2014年11月「中国人民銀行、多国籍企業グループのクロスボーダー人民元資金集中運営管理業務展開に関する通知」（銀発［2014］324号）が公布され、人民元クロスボーダープーリングは全国で取り扱いが可能になった。・2015年9月、中国人民銀行総行が「中国人民銀行、多国籍企業グループがクロスボーダー双方向人民元プーリングを展開することをさらに利便化することに関する通知」（銀発[2015]279号）を公布しており、本スキーム導入により、グローバルベースでの資金効率改善が見込まれた。域内外参加企業のキャッシュフロー（除くファイナンス目的）をベースとした枠組みで人民元の資金調達、放出が可能となる。

JPETA
日化協
日機輸
日製紙

(9) 三国間貿易の決済手続き厳格化

・三国間貿易の決済に係る必要エビデンスが厳格化され、B/L原本の提出が必須となった。Air Waybillでの対応もできなくなり空輸での三国間取引が不可能になるなど、貿易取引における大きな障害となっている。
・三国間貿易の外貨決済（送金）につき、取引の真実性の確認が難しい事から、最近は手続きを厳格化する傾向にある。証憑確認の厳格化が求められているが、輸出通関も輸入通関も行わないことから、貿易決済時に中国では必要な書類が十分に揃わないため、船荷証券の原本提出といった対応が難しく、今後の企業経営に大きな影響を及ぼす可能性があり、自由貿易とは真逆の方向に進みつつあることを懸念している。
・三国間貿易の代金決済におけるエビデンスの厳格化等銀行向けの口頭指導による規制が強化され、対応に苦慮している。
・日本・中国・イラクの三国間取引で、製品（物流）は日本から直接イラクへ発送し中国を経由しない。
中国から日本への代金支払いについて、製品（物流）と異なる代金支払いの為、中国外貨管理局が代金支払いに必要な書類が度々変更、支払いが制限されている。

・従前どおり、B/L、Air Waybillについては公章押印済のコピーでも決済可能としていただきたい。
・規制の緩和。
・外貨貿易決済の改善等。
・口頭指導という形での規制ではなく、法律・規則に基づき、書面、且つ、企業に十分な準備期間を与えたうえでの政策発表をしてほしい。
・左記取引の簡易化。

・匯発[2016]7号
・匯総発[2016]103号「国家外貨管理局総合司より銀行外貨業務規則違反事例についての通報」
・国家外貨管理局総合司
・「国家外貨管理局総合司から銀行外貨業務規則違反案例についての通報」
・銀行からの通知書
・口頭指導

日機輸

(10) 出資持分代金の調整不可

・出資持分譲渡にあたり、closing時の当該企業の資産状況に応じて売買代金の調整を行うことが一般的に行われるが、中国においては、出資持分譲渡にかかる許認可との関係および対外送金の可否が不透明であり、このような調整ができない。

・左記売買代金の調整における手続きの明確化をお願いしたい。

日機輸

(11) 中国顧客からの外貨送金や信用状の開設難

・中国のお客様からの外貨送金や信用状の開設がスムーズに行われなくなった。（お客様と外貨管理局？との手続きが煩雑で時間がかかる）

・契約書に基づいて、円滑に送金・信用状開設ができるようにしてほしい。

※経由団体：各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。

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本表の見方

JEITA フル工化繊協会自動部品日機輸日商日製紙日農工	(1) 海外送金規制の厳格・手続煩雑	・国家外貨管理局によるクロスボーダー人民元建て受払い、外貨支払・受取規制について、緩和されつつあるものの、依然として、人民元転や立替払い費用の外貨送金など様々な場面において煩雑な手続きなどにより不便を強いられている。外貨管理上、クロスボーダーの相殺の可否が不透明である。・海外への仕入支払について、外貨管理局の指導により銀行へのエビデンスの提出資料が増加し、送金準備に大きな労力が必要となっている。また、銀行でのチェックに時間がかかり、着金が遅れるなどビジネスにも支障が出ている。最近は虚偽による外貨送金に対して規制が強化されているが、ビジネス実態のある外貨送金にまで影響が出ている。また、通常の輸入取引に関しても、通関証明でのチェックが強化され、得意先からの通関番号の入手等事務負担が顕著に増加している。・上海市において、三国間貿易の外貨決済（送金）には、各種証憑が必要となり、手続きが煩雑となった。・核銷制度が廃止され従来より簡便化されつつあるが、依然、総量規制等の縛りが強い。また非貿易項目の外貨送金では送金目的により要求資料が多く、且つ実務上対応が非常に困難なものも残る為、手探りでの運営となっている。・中国政府の資本流出の抑制政策により、海外送金の規制が強化され、税務備案手続きが複雑となった。備案の提出から認許までに時間を要し、支払が遅延することとなる。特に日本への立替給与の送金がとても厳しくなり、今後送金できないリスクがある。・中国国内に設立した合弁会社から資本撤退することとなり、2016年12月に持分譲渡先の中国企業からの譲渡金（USD）の送金を待っていたところ、正当に送金申請されたにもかかわらず、中国当局の指導により、送金が許可されなかった。現時点（2017年2月上旬）においても送金が許可されない状態が続いている。・5万ドル以上の非貿易費用の外貨送金など様々な場面において煩雑な手続きがあり、規制回避/支払期日遵守のための時間やコストを要し、業務効率を大きく下げる要因となっている。例：税金を払ってからでないと送金できない。・2016年年末に、為替リスク回避のため、現行の円建て親子ローンの繰り上げ返済を検討したが、外貨登記段階で繰り上げ返済不可となっていたため、返済できなかった。2016年前半までは外貨登記内容を変更し、繰り上げ返済を実行することができたようだが、後半に入り元安が進行するとともに外貨規制が厳しくなり、登記内容の変更が不可となった。・海外送金に上限があり、中国政府により外貨送金の規制がより一層厳しくなっている。・海外での現地調査活動などの業務委託に対して、対価を予算ベースで支払って年度終了後に実績ベースでプラスマイナスを補正している。中国・ブラジル等では支払不足の場合は追加で日本円を送金できるが、支払過剰の場合は現地通貨を日本に送金できず、翌々年度の予算で調整となる。・現地法人より親会社に正当に支払われるべき対価であっても全般的に送金が困難である。開発費用など無形の成果物に対するロイヤリティ、PEに該当しない親会社よりの応援人員経費、更には出向者への支払給与の立替分まで送金困難で、これらの金銭的負担が結果的に親会社の利益をも圧迫している。・人民元で海外企業の費用を立て替え、海外企業から立替金を受領する場合、原則的に人民元でしか受領できない。中国内の企業が海外企業に立替金を払う場合、提出しなければならない書類（証明書等）が多い。	・外資企業に対する送金の原則自由化と手続きの簡素化を強く要望する。・クロスボーダー相殺の自由化また禁止・制限される場合は、その要件の明確化をお願いしたい。・外貨送金手続きの明確化と簡素化の実行。・規制の緩和、外貨貿易決済の改善等。・外貨入金・送金の自由化。・規制緩和、手続きの簡略化をお願いしたい。・（急激な外貨流出を防ぐための政策のようだが、）外貨送金のスムーズな運用を確保頂きたい。・規制の緩和と手続きの簡略化。・元のポジションにかかわらず、企業側の事情に応じて自由に繰り上げ返済できるよう、外貨規制を緩和してほしい。・内容について問題のない送金であれば、送金できる金額を緩和して欲しい。・外貨送金がきわめて困難のため、送金の規制を緩和してほしい。・標準的な国際貿易ルールに準拠すると共に、地域差や担当官員による見解の相違を無くす。・規制の緩和。・手続きの簡便化。	・外貨管理条例、「直接投資外貨管理をさらに簡素化することに関する問題についての通知」（2011年11月23日、国家外貨管理局）・外貨管理局「貨物貿易外貨管理試行手引きの実施細則」・貨物貿易外貨管理法規に関する問題の通知（匯発［2012］38号）・貨物貿易外貨管理法規に関する問題の通知・貨物貿易外貨管理制度改革の公告・外貨管理条例・外貨管理条例第四十条・外貨管理規制・銀行より電話での口頭要求
		(対応) ・2005年7月以降、中国人民銀行は、通貨バスケットを参考として管理変動相場制を導入してきたが、2008年9月以降世界金融危機に対応するため1米ドル＝6.8人民元台へのドルペッグに回帰した。・2008年8月5日、中国は「外貨管理条例」を改正・施行して、外貨での決済・支払いを行う企業に対する監督及び外貨銀行に対する監督を強化するなど外貨管理を強化した。一方、外貨流出規制の緩和を行った。改正された外貨管理条例は、一定の条件の下で海外における外貨収入を海外に存置することを認め、すべての外貨所得を人民元に替える規制を廃止し、経常取引により取得した外貨の保有を可能とした。・2010年6月19日、人民銀行は、人民元為替相場改革を更に推進し、人民元為替相場の弾力性を向上する方針を発表し、人民元の為替相場制度が対ドル固定相場制から通貨バスケットを参考にする為替変動相場制に転換された。・2012年8月より、貨物貿易外貨管理制度改革を全国ベースで実施し、①貨物貿易外貨モニタリングシステムへの移行、②外貨貿易決済システムを通じた総量監督への移行、③外貨管理規定の遵守規程に応じた輸出入企業のA、B、Cに分けた分類管理、④企業の輸出入通関データと貿易外収支データを総量で突き合わせるオフサイト検査、オンサイト検査等の制度を導入した。・2013年12月6日、国家外貨管理局（外管局）は、ホットマネー流入を警戒して「銀行貿易融資業務の外貨管理の完全化に関連する問題の通知」（匯発[2013]44号）を実施し、貿易融資、とりわけ90日超のユーザンス付きの貿易融資業務に対し、銀行が取引背景の真実性審査を強化することを求めた。
		(改善) ・2007年8月5日、外貨管理条例が改訂され、経常項目外貨集中制度が撤廃された。・2009年7月6日より中国と香港との間で人民元建貿易決済が実施された。人民元貿易決済の対象は、上海、広州、深せん、東莞、珠海所在の中国当局により認可された企業と香港、マカオ、ASEAN諸国との間の貿易取引のみ。・2010年6月17日、中国人民銀行ほか5つの政府機関は、『対外貿易の人民元建て決済の試行拡大の問題に関する通知』（銀発〔2010〕186号）を公布した（即日施行）。同通知は、一部の地域・国との貿易取引についてのみ認めていた人民元建て決済をすべての国・地域に拡大し、新たに18省（自治区・直轄市）をこの試験実施地域として加えている。中国政府が人民元の国際化推進のために行った今回の拡大は、一部の都市を対象とした試験計画（2008年12月－2009年7月）が開始されて以来の大きな措置である。・2010年12月1日、「輸入外貨支払い照合の改革関連問題に関する通知」が施行され、件別ごとの輸入照合作業が不要となった。・2011年1月1日から、輸出業者は一定の条件を満たせば輸出代金を外貨のまま海外の銀行口座に保有することが認められるようになった。・改善が図られた点としては、中国・日本間決済で人民元での決済が可能となった点が挙げられる。・2011年8月24日、貿易取引・サービス貿易取引の人民元建て決済可能地域が中国全土に拡大された（「クロスボーダー人民元建て決済地域の拡大についての通知」（銀発[2011]203号）。また2012年2月3日、輸出取引について輸出代金のクロスボーダー人民元建て決済が全企業に認められた（「輸出取引人民元決済企業管理の関連問題に関する通知」（銀発[2012]23号））。これにより、輸出、輸入決済を有する中国現地法人がクロスボーダー人民元建て決済を用いた為替マリー取引が可能となった。・2011年12月1日、「貨物貿易外貨管理制度の改革の試行措置の広告」およびその手引き、実施規則に基づき輸出受け取り照合制度の廃止がパイロット地域で試行した。・2012年8月1日以降、輸出外貨受け取りおよび輸入外貨支払い共に中国全土で照合手続きが廃止され、企業分類（A類、B類、C類）ごとの管理へと移行した。A類企業（コンプライアンスを遵守輸出入手続きを整然と行う企業）には外貨受け取り・支払い手続きを簡素化、B類、C類へと外貨受け取り・支払いの管理と手続きを厳格化している。管理方法を全件検査からモニタリングにより異常値を示した企業に実地検査登記を行う方式に移行した。（「貨物外貨管理制度改革に関わる公告」（外貨管理局公告2012年1号）・2012年8月1日、90日超の輸入延払い、輸出前受け決済等により発生する与信残高を登記により限度額を管理する貿易与信登記管理制度が停止され、代わって30日超の前受け、前払い、90日超のユーザンス回収、延払い、90日超のL/C方式等により決済する貿易外貨収支について報告を要するモニタリングシステムを導入して、前受け残高比率や前払い残高比率、ユーザンス回収残高比率、延払い残高比率について一定の基準を設けてそれを超える場合は実地検査（オンサイト検査）に移行する方式を導入した。（「貨物貿易外貨管理法規関連問題の通知」（匯発[2012]38号）・2013年7月24日、中国国家外貨管理局は、サービス業を対象に外貨規制を簡素化する通知（准発[2013]30号）を発表。 ①サービス貿易における外貨取引に必要な当局審査を廃止して、金融機関で直接行えるようにする。 ②5万ドル以下の少額サービス貿易について取引証明書の審査を原則不要とする。 ③それ以外の取引についても、現行の数10種類の審査規定を簡略化・統合する。主管機関の称号、届出文書の大多数の審査要求を廃止する。外貨受け払いの税務証明を廃止する。 ④「サービス貿易外為管理ガイドライン」及びその実施細則を定め、50余りの関連法規・文書を廃止し、対外業務主体によるサービス貿易の外貨手続に対し、系統的で明確かつ透明な法規的根拠を提供する。 ⑤国内機関のサービス貿易による外貨収入を国外で預け入れる条件を緩和し、企業・グループがサービス貿易の外貨収入を国外に集中して預け入れることを認める。 ⑥サービス貿易による外貨資金の流入と流出の双方向の監視を強化し、マクロ分析、中韓関し、ミクロ検査を緊密に結びつけた非現場監督管理システムを確立し、必要な現場チェック、検査を補助として、リスクコントロールを強化する。・2014年6月11日、中国人民銀行（中央銀行）は対外貿易の安定成長を支援するため、企業の資金調達ルートの拡大、個人貿易における人民元建て決済の承認、人民元為替レートの形成メカニズムの改善などの措置を実施する方針を発表した。・外貨管理局が舵取りをして、税関・税務局とのDATA共有化が進んできたので、輸入・輸出貿易に関わる送金・入金・増値税還付等の手続が簡素化されている。・中国国家外貨管理局は、2012年9月から北京および上海の選定された多国籍企業を試行企業として、指定された外資銀行及び国内銀行の口座を通じて、グループの外貨資金を集中的に運営管理するパイロットプログラムを試行してきたが、2014年4月18日、国家外貨管理局は「『多国籍企業外貨資金集中運用管理規定（試行）』の公布に関する通知」（匯発[2014]23号）を発行し、2014年6月1日から全国的にパイロットプログラムの適用を拡大した。・2014年、「上海?発[2014]26号」により手続きが簡素化された。・2018年11月23日、「自由貿易試験区の改革深化・革新の支持の若干措置に関する通知」を発布した。（http://www.gov.cn/zhengce/content/2018-11/23/content_5342665.htm）【金融改革の推進】：－自由貿易試験区における銀行業金融機構が、法令遵守・リスクコントロールが可能という前提において、国外機構のために人民元デリバティブ商品等の業務を行うことを許可する。－自由貿易試験区が、その特徴に合致する会計システムに基づいて、人民元クロスボーダー業務を展開することを支持する。