ブラジルにおける貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
14. 税制
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
JEITA
建機工
自動部品
電線工
日機輸
日商
(1) 複雑で多岐にわたる税制 ・税、手数料の種類が多く、複層化しているため、経理・納税事務が煩瑣でコストアップ要因となっている。
�]∨�税、州税、市税 計16種類
��各種手数料、負担金 計27種類

・複雑にして高率、かつ多種の税金があり、また頻繁に税制が変わる。特に、日本と異なるところは、以下のとおり:
�)/佑亘莊遏�課税標準または税債務を計算しなければならない。
�∀�結納税制度はないが、関係会社に対する投資が20%以上の者には、持分法が適用される。

・自動車部品の輸入時に課せられる税金は、連邦税として輸入税、工業製品税、州税として商品流通税が存在する。輸入税、工業製品税率はアイテムにより異なる。商品流通税は、州により異なり、サンパウロ州の場合は、現在18%。
・税の中、特に間接税(IPI、ICMS、PIS/COFINS等)の取扱いが非常に複雑であり、かつコスト・インパクトが大きい。
・課税の仕組みが複雑で競合各社によって専門家を雇用し対応している。
・複雑且つ高率の税制(法人所得税、工業製品税、金融取引税、社会統合計画税(売上税)、社会保険融資負担金(売上税)、利益社会負担金、小切手税、商品流通サービス税)。
・物流が伴う商取引のみならず、サービス提供に対しても税金が課せられるなど、ほぼ全ての取引行為に対して課税され、かつ同一取引に複数の税金が課せられる事も稀でなく(連邦税・州税・市税)、コスト高に繋がる。また、税金の種類や課税方法などが複雑であり、更に、場当たり的に税法改正が行われる為、その解釈を巡っては税務当局と対立する事も珍しくない。
・法定福利や社会保障を含む各種税負担が大きく、多重に課される税金がコストを押し上げており、利益を圧迫する。
特に、工業製品税、商品流通税といった付加価値税、内国税が高税率である。

・ブラジル国外での製造品目をブラジルに輸入する場合にかかる関税その他コストが非常に高い。ブラジルの税制が多岐に渡り、国内物価を押し上げていることも影響している。
・税の種類が多く、複雑な税制度となっているため、実務負担が大きく、コストアップ要因となっている。
・連邦税と州税が複雑で、しかも国と州で税の取り扱いに相違があるためわかりづらい(例えば、州では州のICMSベネフィット(税務恩典)を非課税としているが、国税では課税対象となる収益とみなす見解がある)。
・ICMSやPis/Cofinsなどは取り扱いが複雑で、かつ損益インパクトが大きい。
・税制の整理統合・簡素化・軽減化・対伯投資案件での免税等の優遇措置を望む。
・税制の整理統合・簡素化・軽減化・対伯投資案件での免税等の優遇措置を望む。
・建設工事を遂行する場合のタックスガイドといった指針を明確にして欲しい。
・一般的税制の導入。
・全ての税の付加価値税化と税率の低減。
・税制の簡素化(税の種類を減じる)

・一般的税制の導入。
・全ての税の付加価値税化と税率の低減。
・税制の簡素化(税の種類を減じる)

・税制の整理統合・簡素化・軽減化・対伯投資案件での免税等の優遇措置を望む。
・建設工事を遂行する場合のタックスガイドといった指針を明確にして欲しい。
・一般的税制の導入。
・全ての税の付加価値税化と税率の低減。
・税制の簡素化(税の種類を減じる) 。

・税制の整理統合・簡素化・軽減化・対伯投資案件での免税等の優遇措置を望む。
・税制の整理統合・簡素化・軽減化・対伯投資案件での免税等の優遇措置を望む。
・建設工事を遂行する場合のタックスガイドといった指針を明確にして欲しい。

・税制の簡素化と税率の軽減。(それ自体が簡単な事では無い為、現実的には、税金面への意識を常に念頭に置いてビジネスを進めるという対応が肝要。)
・税制の整理統合、簡素化・軽減。
・全品目で無く、ブラジル国内経済を活性化しうる高度技術品目はそのコストを下げるなど検討願いたい。
・シンプルな税制度の整備。
・税制の整理統合・簡素化・軽減化。
・税制の簡素化を望む。
・ICMS
・IPI
・PIS/COFINS
・ブラジル税制
・ブラジル税法
・Lei n° 9.430, de 27.12.1996 ? SECAO V (art. 18 a 24)
・連邦法、州法等
・2017年IPI税率表(TIPI)
TABELA DE INCIDENCIA DO IMPOSTO SOBRE PRODUTOS INDUSTRIALIZADOS (TIPI)
https://guiatributario.
files.wordpress.com/
2016/12/tipi-20171.pdf

    (対応)
・2002年7月4日、自動車分野による社会総合計画(PIS)/公務員厚生年金(PASEP)、ならびに社会保険融資納付金(COFINS)の支払を簡素化するための法律第10485を官報公示した。これにより自動車分野は製造工程の各段階で課税されることがなくなり、一括8.26%の支払となる。
・批判に対応すべく、ブラジル議会は、1995年以降税制改革を議論してきており、総額に対する税(TAV)の創設などが提案されているが、州が課税権限の一部または全部を失うことになるため、各州の抵抗に遭っている。
・世界銀行の”Doing business in 2006”で、年間納税対応時間は2,600時間と最も多い国にあげられている。
・海上輸送の場合、海上運賃に25%の税金が加算されるが、(AFRMM税)、製品ユニットのヴォリュームにより、航空機による輸送を提案して、税金を出来るだけ安くする方策と取る場合もある。
無論、遠距離であるので海上での場合との納期にも関連する。
    (改善)
・2003年8月6日、政府は、Decree No.4800を発布して、自動車製品に対する工業製品税(IPI)を2003年12月1日までの暫定措置として引き下げることとした。
・2008年2月28日、連邦政府は、(1)連邦税数種の統合、(2)複雑な現行税制の簡素化、(3)新ICMS税を創設し、かつ(4)ブラジル州間の水平的税制競争の撤廃を求め税制改革を実施するため、新憲法修正法案(PEC)を国民議会に上程した。連邦政府の税制改革法案は、次の主要点を含む。
�]∨�付加価値税(VAT):連邦VATは、現行の4税に置き換わる。
�⊇�VATの新設:州VAT-IVA-Eは、現行のICMSに置き換わる。本税は、そのほとんどが消費の過程で徴収されるが、脱税防止のため製造過程においても2%徴収される。ICMSから新IVA-Eへの移行は2015年に完了することになっている。
�6囘�化基金:ICMSから新IVA-Eへの移行過渡期の州の歳入損失を補てんするため補完立法により基金が設置される。
�づ蟷饐�励金:投資を奨励するための税制上の奨励金(リベート)。このリベート期間は、現行の24ヶ月間から次第に短縮される見込み。
JEITA
JTA
時計協
日機輸
日商
(2) 重い税負担 ・Cofinsだけでなく、多くの課税が売上税方式になっているIOF(金融取引税、金利に対し1.5%)、CSLL(9%)これらが全てコストになり、競争力を失いビジネスとして成立が困難。
・ICMS税のST(additional sale tax:代行納税制度)がほぼ全州、全商品に適用されるようになった為、回収サイトが長ければメーカー側の資金負担が大きい。
・社会保障を含む各種税負担が大きく、二重、三重に課される税金がコストを押し上げており、利益を圧迫する(いわゆるブラジルコスト)。特に、工業製品税、商品流通税といった付加価値税、内国税が高税率である。
例:マナウス地区から地区外のブラジル国内に出荷する完成品については、FOB+運賃+保険料に対し輸入税が20%掛り、その輸入税を付加した額に工業製品税約20%(時計ケースの材質で異なる)、商品流通サービス税6%が課される。但し、マナウスで製品化される場合は、工業製品税は免除される。

・重税のため商品販売価格が先進国の2〜3倍になる。商品流通の税金が高いために不正に税を免れるコピー品価格は純正品に対して3倍以上も安くなってしまう場合もある。
・税目が多いだけではなく、輸入品に対してほぼ100%の税率の上、諸税を納税した後の利益に対して更に20%のCSLL(法人利益に対する社会負担金)税がある。
・税制の整理統合・簡素化・軽減化・対伯投資案件での免税等の優遇措置を望む。
・建設工事を遂行する場合のタックスガイドといった指針を明確にして欲しい。
・一般的税制の導入。
・全ての税の付加価値税化と税率の低減。
・税制の簡素化(税の種類を減じる)。

・税制の簡素化(税の種類を減じる)
・税率の引き下げ。
・税制の見直し・整理統合・簡略化。

・不正輸入品の取締まり強化。
・重税の緩和。
・減税と共に税制の簡略化及び一本化などの改革を進めて頂きたい。
・ブラジル税法
・税法全般
・法人税法
・法律9249号第25条
・政令第4056(2001年12月17日官報)
・法律10883号(2003年12月30日発効)
・2002年1月3日付官報
・補足法第70号
・法律第10637号、第10168号、第10865号
・補足法第116号
・行政令7412号
    (参考)
・2018年7月5日、ブラジル政府は、自動車産業を対象とする今後15年間にわたる優遇税制を認める新たな税務インセンティブプランを発表した。2018年7月5日付の大統領暫定令第843号により発表された「ROTA 2030プログラム(ROTA 2030 Mobilidade e Logistica)」は、自動車産業に対するインセンティブを拡大することを目的とし、従来のInovar-Autoプログラムの対象となっていた自動車完成品メーカーに加え、自動車部品メーカーや自動車製造、モビリティ、オンボード・ロジスティクスに関する戦略的ソリューションを提供する企業も対象に含まれる。
大統領暫定令第843号の公表に先立ち、連邦政府はブラジルに輸入もしくはブラジルで製造された新車の販売に関する要件を設定。新規定に基づき、カーラベリング、自動車燃費効率または運転補助技術に関する構造性能に関する目標値を満たす企業に対しては工業製品税(IPI)の税率が最大で2%引き下げられる。
    (対応)
・税制改革法案が議会で審議されており、2003年9月4日、下院議会本会議第1回投票で可決され、そのまま上院議会で可決されれば、2004年に3.5〜4.5%の増税となる見込み。対GDP比で現行の36.45%が41%に上昇することが懸念される。
・2003年9月、税制の一部改正が可決され、マナウス・フリートレード・ゾーン税制等の優遇措置は2023年まで延長されることとなった。
・2003年12月30日、税制改革法(法律第10883号)が発効した。COFINS税の税率が企業の全収益額の3%から7.6%に引上げられた。また、COFINS税の対象から輸出、輸出企業に対する販売を除外した。
・2004年1月1日より、海外に由来するサービス業務について、サービス税(ISS)を現行建設業への賦課に加えて、外国で開発されたソフトウェアの購入やサービス提供者に賦課されたサービス、倉庫業、港湾役務、展示会役務などについても提供地の自治体により徴収されることとなった(2003年7月31日補完法第116号)。
・ブラジルの外務省は、2004年12月に行われたWTO貿易政策検討の結果に対して、ブラジル政府は国内各州で異なる商品流通サービス税が適用されている問題を見直す考えであることを表明した。
・ブラジル地理統計院(IBGE)の統計によると、国内総生産比でみたブラジルの租税負担率は、2003年35.54%、2004年36.08%、2005年37.82%と上昇している。
・世界銀行の”Doing business in 2006”で、ブラジルは納税率(total tax payment/gross profit)が148%に上がり、納税部門で155カ国中140位にランクされ、全体のビジネス環境のランクを前年の96位から119位に大幅に下げた。
・2008年1月4日、行政府は、金融取引に対する暫定負担金(CPMF)の失効による国庫歳入損失を補てんするため、金融取引税(IOF)の税率を引き上げる法令第6339号を公布した。
・2008年1月7日、行政府は、銀行間為替取引に対するIOF率をゼロに引き下げるなどの、IOFに関する規則を定める法令第6345号を公布した。
・2011年9月、一定の要件を満たさない国産自動車及び輸入自動車にIPAを30%追加すると発表した(2011年9月16日付政令第7567)。自動車のIPIは、排気量に応じて通常7〜25%であるが、輸入車向けには一律30%となった。本措置は2012年末までの暫定措置であったものが、2017年末まで延長された。これに対し、日本政府は、2011年10月のWTO市場アクセス委員会及び11月のWTO物品理事会において、米国、EU、韓国と連携して懸念表明を行った(不公正貿易報告書)。
・2012年5月31日、ブラジル財務省は輸入品の二輪車、電子レンジ、エアコンに対するIPIを10から15%引き上げると発表した。税率は35%となり、9月1日から実施予定。
・2012年9月1日より、財務省は輸入する二輪車、電子レンジ、冷房機器に35%のIPIを上乗せして課税。
・2012年10月、ブラジル政府は、自動車メーカーに対し、所定の燃費基準の達成等を条件として、ローカルコンテンツの利用量等に応じてIPI30%以上減税可能とする新たな自動車政策(イノバール・アウト)を発表した。これに対し、日本はブラジル開発商工大臣に対しWTO協定への抵触の可能性を指摘した。また、2012年11月以降、WTO物品理事会において、米EU豪とともに繰り返し懸念を表明している。EUは、2014年1月、ブラジルに対してWTO協議要請を行った(2014年版不公正貿易報告書)。
・2014年の憲法改正により、1967年に開始したマナウス・フリーゾーン(Zona Franca de Manaus - ZFM)(当初30年間の時限付)は、さらに2073年まで継続へ。
・2015年1月30日、財務省は暫定措置令668号を発布して、輸入製品に対するPIS/PASEPおよびCOFINSを、現在の平均9.25%(PIS/PASEPが1.65%、COFINSが7.6%)から、11.75%(PIS/PASEPが2.1%、COFINSが9.65%)に引き上げ、2015年5月から実施する。
    (改善)
・1999年8月より自動車製造業者は、部品納入業者に対する間接税、IPI(工業製品税)の支払が免除されている。一方、部品製造業者は原材料の輸入に対し、IPIを支払わなければならなかったが、2001年4月法改正がなされ、自動車部品製造業者もIPI支払が免除された。
・輸出業者にIPI税支払から、社会保険料(PIS/PASEP/COFINS等)の一部を控除する大統領令(EO)を承認し、2002年9月11日、立法化(Law n.10276)されて官報公示された。
・サンパウロ州のICMS(商品流通税)が業種によって引き下げられた。
・2003年12月、憲法修正第42号は、物品及びサービスの輸出にはICMS税が課されないと規定した。一方、物品及びサービスの輸入にはCOFINS税等の社会保障拠出金税が課されると規定した。
・2004年1月16日付大統領令第4955によって一部機械製品に対するIPI税を引き下げた。
・2004年8月6日付政令5173号により、特定の機械製品及び資本財に対するIPI税が引下げられた。
 −大統領令4955号別添及び第1条の I の製品:2%
 −政令第5173号第2条の製品:6%
・2004年9月に発表された投資奨励を目的とする「Invista Ja」により、
�/卦�設備投資に対する税制優遇措置の供与、
��PIP税及びCOFINS税還付適格企業の期間を4年から2年に短縮、
�5ヽ�の減価償却期間の短縮の特別優遇措置が受けられることになった。
・2005年6月以降、生産財(工作機械等)の一部品目について工業製品税(IPI)が撤廃された。
・2005年12月、政令第5.629号及び5.649号が公布され、輸出企業による資本財購入制度(RECAP)に参加する企業が国内市場で輸出品を購入したり、新たな資本財(機械、装置、機器、設備)を輸入する場合に、PIS/PASEP税及びCOFINS税の支払いが免除される事になった。ただし、RECAP参加企業の適格要件は、�’�間売上の80%以上を輸出が占めていること、かつ�⊂綉�80%基準を3年間維持することに同意すること。
なお、マナウス保税区ついては、2005年12月、政令第5.628号が公布され、新たな資本財の輸入に対してPIS/PASEP税及びCOFINS税が免除された。
・マナウス−リオデジャネイロ州間の協定の一環として設けられたリオデジャネイロ州の共通倉庫を利用して、商品流通サービス税(ICMS)を製品の販売時に支払うことが出来る。
・2003年から2005年にかけて、税制優遇措置がだされているので、その中に時計に関する優遇措置があるかどうか、詳細を調べる必要がある。
・2011年12月から一部輸入車へのIPI増税措置が導入され、輸入依存の大きい企業は販売実績に悪影響が出ている。
・2012年5月12日、10月末まで時限措置として一部自動車へのIPI引き下げ措置が実施されたことにより、自動車販売台数が増加した。
・2012年末に輸入車等に係るIPIの30%ポイント引上げ課税が終了することから、自動車に対する工業製品税(IPI)の軽減措置については、後継スキームとして2013年から2017年まで適用される措置として、R&D等、一定の資格を満たす企業について、国産部品等の購入額に応じ、IPIを最大30%ポイント免除するとともに、更にR&Dへの投資目標を達成する場合には更にIPIを2%ポイント免除。
・2012年10月、ブラジル政府は経済刺激策の一環として、自動車購入時の減税の10月末終了予定を12月末まで延長すると発表。
JEITA
ベア工
自動部品
日機輸
(3) 特異で不合理な移転価格税制 ・ブラジルは移転価格算定方法として、OECD諸国が認めるComparable Profit Method(CMP)やTransactional Net Margin Method(TNMM)を認めていない。代わりに、3つの方法を認めているが、子会社が親会社から部材を輸入する場合、�‘販�価格比準法(PIC法)と��原価基準法(CPL法)は、適用が難しく、��再販売価格基準法(PRL法)を採らざるを得ない。この場合、子会社は事業分野別の利益率(機械部品の場合20%)を利潤相当額として再販売価格から差し引き、その金額を独立企業間価格とみなすことになるが、これは実態とかけ離れている。
・年間の全体の取引に於ける収支に基づいて利益の移転を判断するのではなく、輸入アイテム個々に、個別に一定の利益を確保することを規定されるブラジルの移転価格税制は、輸入販売を行う上で、ビジネスチャンスを増やす機会を狭める。
・出資比率が10%以上の会社との取引も対象となってしまう等、移転価格税制の対象が他国の制度と比較して広く、多大な事務負担を要求されている。
また、業態や取引の特性に関係なく一定の高い利益率を要求する手法が採用されており、他国で行っている取引であっても、ブラジルでは採算が取れずに諦めざるを得ないものがある。

・出資比率が10%以上の会社との取引も対象となるため、移転価格税制の対象が他国の制度と比較して広く、事務作業が煩雑。
コモディティの輸出に適応されるPECEX制度がOECDで採用されている移転価格税制と異なり、事務作業が煩雑。また、PECEX法の運用(Normative Instruction)があいまいなため、税務リスクを強いられる。加えて、税務上の価格決定タイミングが限られており、実際の取引価格と異なるケースが多く、手続きが煩雑かつ価格変動リスクを強いられている。

・当該関連者の果たす機能・負担するリスクにかかわらず、法令で定められている利益率を確保するよう価格を設定しなければならない一方、日本の観点からはブラジル法人の機能・リスクや無形資産の状況に鑑み、ブラジル法人に適正な所得が配分されるよう価格設定をしなければならない。
・OECDが認めているTNMM法を認めておらず、再販売価格法(RP法−PRL20やPRL60)が適用されることなど、他の各国との相違点が多い。したがって、日本の本社による子会社全体の一律のコントロールが不可能。
・OECDモデルに準拠した制度にして欲しい。
・アイテム個々の利益に基づいてではなく、企業として年間の取引全体で一定の利益が確保されていれば、移転価格税制に抵触しないというように法を改めて戴きたい。
・左記以外の点においても国際的な標準モデルであるOECD移転価格ガイドラインとは大きく異なる制度になっている為、ガイドラインに準拠した制度に見直して頂きたい。
・OECDモデルに準拠した制度にすべき。現行制度の運用を続ける場合は明確かつ現実の取引を反映した制度にすべき。
・日本やOECDガイドラインが適用を可能としている取引単位営業利益率法(TNMM)や利益分割法(PS法)といった利益を基準とした移転価格算定方法を追加してほしい。
・簡単ではないことは承知しているが、OECD移転価格ガイドラインに準拠するよう、政府として働きかけてほしい。
・ブラジル移転価格税制
・1996年法律9430/96号連邦税務局からの基本通達
・9.430/96
・12.715/12
・12.766/12
・1.312/2012
・ブラジル連邦国税庁施行細目通達243号第8条、第12条、第13条、第23条、第24条、第25条および第26条
・Article 23/Law 9,430/1996
・Law 12,715/2012
・税務当局からの移転価格税制に関するNormative Instruction

    (参考)
・2019年10月17日、経済産業省(METI)とブラジル経済省(MOE)は、ジャパンハウス(サンパウロ)において第13回日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会(貿投委)を開催した。アビジャオジ理事からは、2019年7月に第22回が行われた日伯経済合同委員会のこれまでの経緯や日メルコスールEPAの重要性の他、日伯投資協定、両国の生産チェーンを統合する相互認証制度、二重課税防止協定の見直しなどがブラジル経済合同委員会で指摘されており経済省で検討を重ねていることを述べた。
    (対応)
・1996年法律 第9,430/1996号によりブラジルが移転価格税制を導入した。その後、改正を重ねている。
・ブラジル日本商工会議所は、2006年、ブラジルの移転価格に関して、以下の4点の重点改善要望を行っている。
�ゞ罰Δ瓦箸飽曚覆詬�益マージン比率の適用
�∪宿福壁�品)一点ごとの税率計算から製品群・グループごとでの計算への変更
�0拌愾蠑譟柄按鵐譟璽搬仄太咼譟璽函砲虜弘曚鰺毒Г垢觸斉霎�整備
��APAの整備
その結果、��の輸出については特例が認められた。
・2007年12月26日、財務省は、対諸外国通貨のレアル高の影響を緩和する目的で、暦年2007年度の輸出品移転価格決定の調整メカニズムを定めた規則(Portaria)第329号を公布した。
・輸入取引の場合、原価加算法(CPL)での20%マージン規定がある。製造コストに租税公課を加えたものの20%までの利益率しか認めず、現地法人は十分な輸入価格の設定ができない。
・2009年9月に開催された日伯貿易投資促進合同委員会で、硬直的な利益率の設定やAPA開催などの問題点、要望を具体的に提起。これを受けた形で12月30日、移転価格税制に就き、輸入品に関する再販売価格基準法に於いて部品・材料に適用される極めて高い利益率の見直しがなされるなど、一部改正あった。
・再販価格基準法のマージン比率の変更など、移転価格税制の一部改正の実施を目指した暫定法は、正式な法律となるための国会審議が2010年6月1日までに行われず、廃案・失効となった。しかし、政府は同じ内容の暫定法を再び国会に提出する構えとのことである。
・2012年11月に開催された日伯貿易投資促進合同委員会で、日本側からブラジルの移転価格税制の問題について改善要請が行われた。
・2012年、ブラジル連邦歳入庁規範的指針 第1/2012号、暫定措置 第563/2012号(後に法律 第12,755/2012号に転換)、規範的指針第1,312/2012号および法律 第12,766/2012号によりPRL法における利益率の製品別化といった移転価格税制全般に影響を及ぼす改正をした。
JEITA
日機輸
(4) 高い粗利率によるみなし利益課税 ・ブラジルの移転価格税制は96年法の令9430号に準じた2種類の異なった最大許容輸入品価格の計算式が存在することにより税務訴訟が多発している。
納税者側の主張は、
�仝把蠢突�率は業種別の差を考慮し柔軟性を持たせる。
��単品計算ではなく商品のグループ平均粗利率を認める。
��APA(Advanced Pricing Agreements)事前問い合わせ制度を設ける、
等であったが、暫定563号(2012年4月)で粗利率が一般商品は20%に変更された。カメラを含む一部の商品は40%〜30%と高く税務局との調整を必要としている。暫定563号は12年9月に法令化され最大許容輸入価格の比較額をCIF価格+輸入税からFOB価格に改正された。この法令12715/12は12月に細則が出たことからCNI(ブラジル工業連盟)、FIESP(サンパウロ州工業連盟)、ELETROS(ブラジル家電協会)を通じ、企業側の要請が行われる見通し。
・不当に利益操作をしているのではないかとの調査、反論、立証というプロセス無しの機械的な課税方針には納得できない。
・一部粗利率の見直し:
例:DSC40%を20%へ訂正して欲しい。デジカメの40%のマージンは高すぎる為。
・移転価格税制
・法令9430(1996年)
・法令12715/12(2012年9月)
    (対応)
・輸入取引の場合、原価加算法(CPL)での20%マージン規定がある。製造コストに租税公課を加えたものの20%までの利益率しか認めず、現地法人は十分な輸入価格の設定ができない。
・2013年10月に開催した第1回日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会において、日本側は移転価格税制について各製品の税率算定基準の明確化等の要請を行い、専門的な議論の場を設けることを決定した。(2015年版不公正貿易報告書)
日鉄連
(5) 移転価格税制の比較可能取引価格の不明確 ・輸出取引上、移転価格税制適用外としての容認限度基準について“海外関連者との取引価格が国内取引価格(税引き後)の90%を下回らない場合”とあるが、コモディティによっては国内取引価格が明確になってない、若しくは国内での取引がないケースがある。 ・国内取引価格の基準明確化及び国内取引が無い場合においての基準明確化。 ・ブラジル法律9.430/96
日機輸
(6) 税金還付の困難・遅延 ・納税したIPIの還付手続きは法的に可能であるが、申請しても還付手続きがされない。 ・還付の迅速化。 ・連邦憲法
・一般税法
    (対応)
・2009年9月に開催された日伯貿易投資促進合同委員会にて本件具体的に問題提起し、伯側の理解を得た。
・2010年5月5日、財務省と開発商工省は、自動車部品などの輸入が増加していることを受けて、産業競争力強化に向けた輸出時の間接税還付の迅速化などのインセンティブを発表した。
・2010年5月5日、ブラジル財務省は企業の輸出を拡大するための一連の措置を発表した。その一つとして、所定の要件を満たす輸出企業に対してブラジル連邦歳入局(FRA)が行う税額控除の還付を迅速化させるというもの。輸出企業に対する社会統合基金・公務員厚生年金(PIS/PASEP)、社会保険融資負担金(Cofins)、工業製品(IPI)税の控除の50%の還付は、企業が必要書類を提出してから30日以内に完了する。現在、FRAが税額控除の還付手続きを完了するまでに最長5年間かかっている。
・ICMSは商品の輸入、流通、通信、運輸サービスなどに課税される。ICMSの税率は州内取引と州をまたぐ取引が異なっているため、その差額がクレジットとして輸入者において累積する。ICMSクレジットの還付が時間がかかる場合や、サンパウロのように還付請求が法的に禁じられている場合(サンパウロ州法6.374の45条)がある。
    (改善)
・数年前に輸入したものを輸出する場合、輸入の際のPIS/Cofins等の間接税の免税制度が定められ、2010年より国内の仕入に際しても同様の免税制度が導入された。
JEITA
日機輸
日商
(7) 曖昧な欠損処理規定 ・欠損によるTax Lossの規定があいまいでなかなか使用できない。 ・Tax Loss使用定義明確化。 ・法人税法
日機輸
(8) ICMS課税の不合理 ・原材料仕入時にICMS(18%)を支払いクレジットする一方、販売時は海外向けでは免税、国内向けでも特定産業への減免措置がある為、ICMSの回収が進まない。還付は制度上認められていない為、州政府に免除特例申請をする必要があるが、政治・経済情勢に左右され、審査に時間がかかる上、累積実績の証明が必要となる為、投資判断段階では特例が認められるか判断がつかない。尚、連邦間接税のPIS・COFINSも同様に輸出免税による累積問題あり。 ・間接税制度の抜本的見直し。輸出還付制度を整備すると共に、特定産業に対する恩典により生じる税率の歪みを解消すべき。
・特例を残す場合も、基準を明確化し、審査過程をなくして迅速に手続きすべき。
・ブラジル税法
フル工
自動部品
日機輸
(9) 州ごとに異なるICMS課税の煩雑 ・物品の購入、販売時に間接税が課税される差額納税方式であるが、ICMS(流通税)という間接税は、他州へ販売する場合税率がサンパウロ州で物品を輸入製造時は18%であるが、他州へ販売するとき税率が4%となり税金の回収が困難な状態となり、資金繰りが悪化する。
・製品の出荷に当たって、客先に直接納入するケ−ス以外にも、Tier1を経由するケ−スがある。この場合、出荷に当たって州をまたぐ毎に課税される事がある。
・税率の統一。
・活発な経済活動の阻害要因になるので、税制の見直しをお願いしたい。
・artigos 28-A, 28-B e 28-C da Lei 6.374, de 1o de marco de 1989
・パラナ州税法
・サンパウロ州税法
・ブラジル国税法

JEITA
日機輸
(10) 貸倒の納税額償還制度の不在 ・付加価値税・売上税が課税された売上債権が貸倒となっても納税額を償還する制度がない。税率も貸倒リスクも高いので影響が大きい。 ・和議・倒産に限定でも良いから制度化を望む。
JEITA
JTA
電線工
日機輸
(11) 頻繁な税制改正による不透明とコストアップ ・複雑かつ高率な各種課税により、税金負担の実額が大きいこともさることながら、税制の理解が困難で、かつ税制や納税手続が頻繁に変更されるため、税理士へのフィーや事務作業等、多大な税務コストの負担も余儀なくされている。
・頻繁な税法の変更がInvoicing, Distribution Processなどに影響を与える。
・頻繁に税制が変わる。
・複雑かつ高率な各種課税により、税金負担の実額が大きく、また、税制の理解が困難で、かつ税制や納税手続が頻繁に変更されるため、多大な税務コストの負担が余儀なくされている。
・構造改革(税制の簡素化)。
・企業のビジネス活動を考慮した税法改定して頂きたい。
・税制の整理統合・簡素化・軽減化。
・税制の見直し、簡略化。
・コロンビア税法第292条第2項
・コロンビア税法運用規則第23条第3項第4号
・各種税法
・各種法律
JEITA
日機輸
(12) 売上を課税ベースとする給与納税制度 ・法令12715号(2012年9月18日発行)55条により業種によっては従来の給与額20%に対し売り上げの1%で納税する制度への選択が可能となった。 ・給料付帯経費の負担低減。 ・法令12715号55条(2012年9月18日発行)
日機輸
(13) 納税不要製品への納税要請 ・通関時に自動車部品は工業製品税(IPI)が不要であるところ、通関より納税を要請されていた。
部品の説明資料を作成することで、税金の納税要請はなくなった。
・IPI納税要請の理由の説明が欲しい。
・また、不要である場合の手続きを明確化してほしい。
・2017年IPI税率表(TIPI)
TABELA DE INCIDENCIA DO IMPOSTO SOBRE PRODUTOS INDUSTRIALIZADOS (TIPI)
https://guiatributario.
files.wordpress.com/
2016/12/tipi-20171.pdf

日機輸

(14) 税法上の恣意的な徴税 ・(政府の財政悪化に伴い税務当局への圧力が増しているのか)
税法上の観点から妥当性を欠いた請求が発生しており、それに伴う手続き費用(弁護士費用含む)を強いられる。
・徴税の適正化。
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
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本表の見方