カタールにおける貿易・投資上の問題点と要望
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本表の見方 |
14. 税制 |
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経由団体※ |
問題点 |
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈 |
要望 |
準拠法、規則、運用 |
日機輸 |
(1) 広範な課税対象範囲 | ・カタールでは、プラント輸出契約(設計・機材調達・建設の一括請負契約)について契約金額総額が課税対象になる。そのため設計役務など当該国外(例えば、日本、第三国など)において提供された役務についてもすべてが課税対象になる。 | ・プラント輸出契約(設計・機材調達・建設の一括請負契約)において設計役務などプラント建設国外(例えば、日本、第三国など)にて提供された役務については、課税対象外にしていただきたい。 ・恒久的施設(Permanent Establishment:PE)に帰属する所得を当該国での建設部分のみとするよう租税条約に明記頂きたい。 |
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日機輸 |
(2) 不明瞭な税制改正の内容 | ・源泉徴収税や税留保に関して、近年税制改正が行われているが、具体的な適用方法、適用時期について不明瞭な箇所があり、税務アドバイザーのアドバイスに頼らざるを得ない一方、税法違反に伴う追徴課税のリスクがあるため、税務アドバイザーに保守的な解釈をうながされるきらいがある。 | ・適用方法、適用時期を明確に定めて頂きたい。 ・新税法施行に猶予期間を与える場合は、その猶予期間内に法制を整えて頂きたい。 |
・Income Tax Law 21 of 2009 (circular 1 - 3 2011) |
日機輸 日商 |
(3) 納税証明書発行の遅延 | ・カタールでの石油精製、石油化学、天然ガス処理、液化天然ガス(LNG)プラント等の建設プロジェクト(設計・機材調達・建設一括請負)では、税務当局から発行されるNo Objection CertificateやTax Clearance Certificateと呼ばれる、いわゆる納税義務完了通知書の取得まで契約金額の一部(=クウェートは5%、カタールは3%)を留保される制度があり、資金回収面で期間の不利益が生じる。 ・Income Tax Lawに基づき、客先よりリテンションの支払いについてカタール税務当局が発行する納税証明書の提出が要求されるが、当該証明書の発行に非常に時間がかかる。2014年9月末に税務申告の電子化移行が発表されたが、当該システムが軌道に乗るまでには相当の時間を要するものと思われ、納税証明書の発行については、当面、更なる遅延が予想される事態となっている。 ・Tax Certificate(納税証明)の発行が遅い。租税条約を取り交わしており、源泉徴収が必要なくなる場合でも、発行の遅れにより、免税措置が適用されない場合がある。 |
・左記のような留保金(リテンション)制度を適用しないでいただきたい。 ・税務当局が当該税務申告の電子化を早期に制度として定着させ、査定業務の一層の迅速化を図り、バック・ログの大幅削減を速やかに実現するよう強く望む。 ・納税証明の発行期間の短縮。 |
・Income Tax Laws 21 of 2009. Circular No.2/2011 |
日機輸 |
(4) 厳格な配当制限 | ・カタール籍の会社から配当を行う場合、毎年度の純利益の内、10%を毎年法定準備金として株式資本の50%に達するまで積み立てる必要があるため、当該額が配当に充てられない。 | ・経済特区を国内に設立し、特区内の会社に対しては、法定準備金が課されない特例を設けて頂きたい。 | ・Qatar Commercial Company Law Article 183 |
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