インドネシアにおける貿易・投資上の問題点と要望
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本表の見方 |
16. 雇用 |
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経由団体※ |
問題点 |
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈 |
要望 |
準拠法、規則、運用 |
| JPETA 自動部品 日機輸 日製紙 |
(1) 過激な労働組合運動と賃上げ要求 | ・毎年、法定最低賃金が上昇しており、恒常的な減益要因となっている。ジャカルタでは毎年複数の労働組合が主導する大規模デモが起こっており、操業を停止せざるを得ない企業もある。 ・毎年実施される最低賃金交渉に関して、労働組合の過度なデモ、交渉活動により製造活動を混乱させ生産性と効率性に悪影響あり。 ・当社製造子会社のある、同国のブカシ県では、2016年の公定最低賃金が11.5%アップした。2015年度の16%アップに比べると下落したものの、依然として上昇率は高い水準にある。また労働組合の活動は激しさを増すばかりで、行政には労使の仲介者としての役割は到底期待出来ず、企業側はスト、操業ストップを避ける為、労働者の非合理的な要求を飲まざるを得ない。 ・毎年、約10%の最低賃金上昇が続いており、会社経営において今後も人件費負担が大きくなる。 |
・企業が企業努力により競争力を維持できる範囲の法定最低賃金の上昇。 ・年間賃金増分の決定に向けた交渉管理及び仲裁手続の改善。 ・行政にもっと公平な立場で労使の仲介者としての役割を担ってほしい。 |
・Labour Law (Undang Undang Ketenaga- kerjaan) No. 13/2003他 ・各会社で2年おきに設定する(組合とともに作成した)労働協約 ・インドネシア労働法等 ・2015年政令78号最低賃金決定法 |
| (対応) ・産業関係紛争の解決に関するLaw No.2/2004(2004年1月14日)の2条では、紛争を4つの問題に分類している。 1.権利の紛争 2.利益の紛争 3.離職の紛争 4.企業内の労働組合との紛争 −3条では、紛争は二当事者間(労働者と雇用者)を通じて第一義的に解決されるべきであると規定している。30日以内に合意に達しない場合、その話し合いは失敗したと定義される。 −4条では、両当事者が調停又は仲裁のいずれかの方法を選ぶことを要求する当局に付託するものとしている。7日以内に返答がない場合、当局は当該事件を調停者に任せる。 −5条では、仲裁でも調停でも解決に達しない場合、いずれの当事者はその事件を産業関係法廷に提出することができる。 −59条は、すべての地方政府における産業関係法廷の設置は当該州の首府に所在することを規定している。 ・Decree of MOMPT & T No. 232/Men/2003(31 Oct. 2003)は、違法ストライキの帰結を定義している。 ・2006年1月、労使関係紛争解決法2004年第2号が施行され、労使紛争解決機関のスタッフ(斡旋員、調停員等)に対する研修を実施するなど、法律の円滑な実施に向けた取り組みが進んでいる。また、過去の労働争議に関する判例集の作成に取り組んでいる。(日尼戦略的投資行動計画の進捗報告書2006年11月) ・2012年1月17日、2003年法律第13号のアウトソーシングに関する憲法裁判所の違憲判決を背景として、6月19日、インドネシア金属産業労働組合連盟(FSPMI)に所属する労働者が西ジャワ州ブカシ県の3か所の工業団地で約6,000人の労働者が参加して有期契約や請負労働の形態で就労する非正規社員の正規雇用を求めてデモを行い、改善要求を行った。 ・2015年10月15日、インドネシア政府は、毎年の最低賃金引き上げに関する新たな全国に適用される固定的計算式の導入を含む景気刺激パッケージを明らかにした。2015年10月23日、インドネシア政府は賃金に関する政令2015年78号を発令し、インフレ率と実質GDP成長率を加算して算出することを決定した。 ・ジャカルタ特別州は、2015年の法定最低賃金は前年比10.6%増の270万ルピア、2016年の法定最低賃金は前年比14.8%増の310万ルピアに決定。 ブカシ県は2015年19.5%増の292.5万ルピア、2016年11.5%増の326.1万ルピア。 スラバヤ市は2015年23.2%増の271万ルピア、2016年12.4%増の304.5万ルピア。 ・2017年2月17日、ジャカルタ特別州は、2017年産業別最低賃金(金属加工業、電子機器・機械産業等の各下位セクター)を設定し、最低賃金は雇用契約に基づく勤務期間が1年未満の労働者に適用することとなった。 |
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(2) 外国人の就労ビザ取得要件の厳格化、取得手続の煩雑・遅延 | ・外資の積極誘致と相反し、保護主義政策(自国民の就労機会確保)強化に伴い外国人労働者就労許可(IMTA)の発給規制が厳格化している。2015年度は下記中心に現場で大きな混乱が発生。 �“鸚渋ざ伴�AdvisorタイトルのIMTA有効期間が1年→6か月に短縮、Managerタイトルの増枠が困難。 �∀�働移住省の推薦状(TA01)発行日数が従来の最大約1ヶ月から大幅に延びており、4か月超のケースも報告されている。 2016年度は大きな問題は生じなかったが、引続き注意が必要。 ・VISA On Arrival以外のすべてのVISAにつき申請にあたり申請者本人の銀行残高証明書or通帳のコピーが必要となった。 ・生産開始前に短期で日本より応援者が現場支援をする場合、就労ビザ・一時滞在ビザを取得する必要がある。しかし手続きが煩雑で時間も掛かり、現実とかけ離れ理に適っていない。 ・Business VISAに必要な書類にCable VISA(査証発給許可書)が突如加わった。Cable VISA(査証発給許可書)はインドネシア国内での取得が必要な書類で、Business VISA取得までに時間を要する。一方で打ち合わせのみならば、空港で取得できるVISA On Arrivalについても解釈次第であり、改善が必要。 ・ビザ発給申請に対し書類が多く、また手続きも煩雑。 工場での緊急支援が必要となった際、ビザ発給が障壁となり当地への支援活動が遅れてしまう。 ・製造業において、設備トラブルや品質トラブルが発生した場合に、日本から現地にすぐにサポートに入ることができない。3か月以上かかる場合がある。緊急用ビザの運用もあるが、それでも稼働日18日〜23日かかる。 ・突発的な生産設備の故障等の復旧に際して日本人エンジニアが渡航・復旧作業にあたる場合、就業ビザの取得に要する日数が長くかかるため長期間操業がストップする。 ・短期就労許可(IMTA)の取得が必要な渡航の定義および手続きが頻繁に変更されるため、ビジネス上の問題が生じている。 ・短期技術指導者を直ちにインドネシアへ派遣したくてもIMTA(外国人労働者雇用許可)の取得申請をしなくてはならず、派遣までに時間がかかる。 ・日本人支援者(設備導入、設備改修、品質改善等)に労働許可取得が義務付けられており、時間的制約がある場合にタイムリーな支援に支障をきたしている。 |
・積極的な外資導入政策の内容に沿って、就労許可の発給に関する対応を緩和するよう、労働省に強く申入れ頂きたく思います。 ・例外規定の設置(バイクレ案件等)。 ・現実を考慮し、ビザ要件の緩和。 ・手続き・期間の明文化。 ・末端の担当係官への周知徹底。 ・VISA定義の明確化。 ・Business VISAの書類簡素化。 ・ビザ発給手続きの簡素化。 ・1週間以内で入国して、現地の現場の設備修理等の作業ができるようにして頂きたい。 ・より短い日数でのビザ取得。 ・政府として一貫した規定の運用をして頂きたい。 ・インドネシア人の育成を伴う技術指導ということで、申請プロセス及びリードタイムを短縮して欲しい。 ・左記の支援者に対する労働許可取得の免除を要望。 |
・外国人労働者の雇用に関する労働相令(2013年第12号) ・2015年1月14日付労働省公示 ・2014年法務大臣規定第27号 ・2015年入国管理総局長回状IMI-3673.GR.01.07 ・2015年労働大臣規定第16号 ・インドネシア労働大臣令2015年第16号第16条 ・政令NO.31 ・労働移住大臣規定 |
| (対応) ・2006年3月29日、マンパワー移民省(DOMT)は、外国人労働許可(IMATA)の発行手続所要時間を7日から4日に短縮するとする外国人就労許可発行に関する通牒を発令した。 ・移民局は、一時滞在許可(KITAS)により与えられる滞在期間を連続して1年から2年に延長し、2度更新可能とする規則No.GR.18/2005を発行した。 ・2006年4月、「大臣令/7番/III/2006」(労働移住省)発部により、インドネシアで働く計画のある外国人は、インドネシア入国前に労働許可を取得することが可能となった。 ・2008年3月28日、発効された「外国人利用手順に関する労働移住大臣規定2008年第2号」において、 �仝柩儺�可の取得日数の短縮、 ��企業における緊急入国の際の手順の規定化、 �C亙�政府への権限委譲の明文化などがなされた。 ・インドネシアの外国人就労者に対して、技術能力開発基金(DPKK)が100米ドル/月かかり、就労ビザの作成・更新時に年間1,200米ドルを労働省指定銀行口座に一括前払いで納付しなくてはならない。 ・2013年12月20日、労働移住大臣規定2013年第12号を公布し、外国人労働者の就労ビザ取得について「就任予定の役職要件に応じた学力を有する」ことが必須条件として追加規定された。 ・インドネシア政府は、2015年6月29日付労働移住大臣規則2015年第16号を発行して、「非常勤の外国人取締役の就労許可(外国人就労許可=IMTA)取得の義務」を新たに規定したが、4か月後の10月23日付で同規定を削除した。 ・2015年12月28日、経済特区(KEK)に対する投資優遇措置に関する新たな政府規則(Government Regulation No. 96/2015)が発効した。政府規則96号には、タックスホリデーやタックスアローワンスに加えて、KEK内に一時的に在留する外国人(資本投資目的又は専門職としての就労目的)への一時滞在ビザ発給許可等の便宜を供与する優遇措置が含まれている。 |
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| 自動部品 |
(3) 長期技術支援を行うビザの不備 | ・現在のVISAの体系では、長期の技術支援を行うことのできるVISA種類が設定されていない。 | ・左記VISA種類を新設するか、あるいは左記の場合はVISA免除としてもらいたい。(短期商用であってもVISAが必要であることを考慮すると免除とすることは難しいか) | |
| 日機輸 |
(4) 就労許可不可 | ・経理・総務・人事部長は、外国人に対して就労許可が下りないので、日本人によるマネジメントが難しい。 | ・経理・総務・人事部長を行う日本人に対して就労許可を出せるようにしてほしい。 | |
| 日機輸 |
(5) 職歴期間による就労ビザ延長不可 | ・職歴5年未満の指導員に対し長期(12ヵ月)のWork VISAが発給されず、短期(6ヵ月)のみで、その短期VISAは延長不可となっている為、実質的に職歴5年未満の指導員の派遣ができない。 | ・職歴5年未満であっても指導員としての資質に問題は無いことより、長期Work VISAが発給される様、例えば長期間に亘るPJでは特例措置を講じて頂きたい。 | ・2003年3月25日付法律第13号(労働法)第�湿和�42条から第49条) |
| 日機輸 |
(6) ビザ免除要件の恣意性 | ・在シンガポールインドネシア大使館によると旅行以外の目的での入国であれば到着ビザ(VOA)が必要だが、インドネシアのイミグレーションウェブサイトによると、旅行以外の目的での入国であっても、現地のRep Officeに会議参加する理由であればビザが免除される。 入国の際、ビジネス目的のためVOAを購入しようとしているにもかかわらず、ビザ免除を勧められ免除のスタンプを押印される。もしくはVOAを申請したが、VOAシールが貼付されずにビザ免除のスタンプが押印されている。 |
・規定の統一とオペレーションの改善をして頂きたい。 | ・インドネシア外務省 |
| 建産協 日鉄連 |
(7) 現地人の雇用義務 | ・現地に進出する企業は、外国人労働者1人につき、インドネシア人3人の雇用が義務付けられている。 ・インドネシアに於いて、外国人1名に対して、3名以上の現地人を雇用せねばならず、またそれら労働者の解雇も非常に困難かつ、高額の退職金が発生することから、他の東南アジア諸国と違い、事業立ち上げの初期に多数の人間を投入して、早期に事業(売り上げ、利益)を確立させることが、非常に困難。 |
・規制の撤廃。 ・まずは、政府筋より、外国人1人つき、3人のルールを撤廃するか、せめて退職時に異常な高額退職金を支給する義務を廃止するよう働きかけて欲しい。 |
・2015/6/29付労働大臣規定2016年16号第3条 ・2015/10/26付同第3条削除 |
| (対応) ・2015年6月29日付労働移住大臣規則2015年第16号は、企業が外国人を雇用する手順を定めた2013年の大臣規則を見直し、「雇用者は、外国人労働者1人の雇用に対して少なくとも10人のインドネシア人労働者を雇用しなければならない」と規定した。しかしインドネシア政府は10月23日、同規定は削除した。 |
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| 日機輸 |
(8) 有期雇用の業務限定 | ・有期雇用は、季節性、臨時性ある仕事のみ認められている。 | ・柔軟な要員調整が保証される制度を確立して欲しい。 | |
| 日機輸 |
(9) 柔軟性のない解雇条件 | ・従業員が重大な過失を犯した場合(犯罪行為等)でも、労働裁判所の決定なしに解雇することができない。 | ・本規制自体をなくしていただく、もしくは重大な過失の場合には労働裁判所での決定までのプロセスを簡略化するなど是正頂きたい。 | ・労働法158条及び159条、及び労働紛争解決法7条 |
| 日機輸 |
(10) 外国人従業員の処遇 | ・外国人従業員は複数のポジションを兼務できない一方、ローカル従業員には特に制限がない。 | ・差別をなくして頂きたい。 | ・インドネシア外務省 |
| 自動部品 |
(11) 社会保障協定の未締結 | ・社会保障協定の協定未締結国においては、海外駐在員は現地の社会保険に加入をしており、二重負担となっている。 | ・協定締結の交渉を進め頂きたい。 | |
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