◆2025年 國分理事長年頭所感
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2025年 國分理事長年頭所感

2025年1月8日

  新年おめでとうございます。2025年の新春に当たり、ご挨拶申し上げます。

  2024年は国際秩序の先行きを大きく変え得る重要な政治イベントが相次ぎました。ウクライナ、中東における紛争が長期化する中、欧州では昨年夏以降行われた欧州議会や主要国での議会選挙にて極右勢力をはじめとするポピュリストが台頭、今ではフランスやドイツの政局が流動化し、一層の懸念要因となっています。日本でも衆院選で与党が過半数を割り込み、直後の米大統領選では予想外の大差でトランプ氏が次期大統領に選出されました。さらに年末にかけては韓国の戒厳令宣布からの大統領弾劾、シリアのアサド政権崩壊が続くなど、国際情勢は目まぐるしく変化しました。

 現在の世界経済は、インフレの鎮静化、貿易の持ち直しなどを背景に底堅い成長を維持しているものの、米国のトランプ次期大統領が掲げる「米国第一」の政策運営は予見が極めて難しいものとなりそうです。同氏は対中国をはじめ幅広い追加関税の適用、移民規制強化などに言及しており、こうした政策は米国経済に影響を及ぼすばかりではなく、貿易や投資を通じてグローバル経済に下振れリスクをもたらすことが懸念されています。

 一方、これまで世界経済のけん引役であった中国では、足元の不動産不況のみならず人口減少などの構造要因も相まって成長鈍化が続いており、目先は輸出や景気刺激策に依存せざるを得ない状況です。米中対立の深まり次第では、同国のみならず関係の深い周辺国への悪影響も避けがたい情勢で、こちらにも一段の注視が必要になってきます。

 国際社会の分断が容易に修復できないという見通しが強まる中でも、我々にはこれまで積み重ねてきた自由で公正な貿易・投資体制を最大限維持するという姿勢が求められると考えます。同時に、締結済みの経済協定など既存の枠組みを活用しながら、官民一体となって経済安全保障を推進することが、日本経済のさらなる発展に資するものであり、日本機械輸出組合として果たすべき役割と考えております。

 政府におかれましても、産業界の水先案内人として、強力なリーダーシップを発揮していただき、日本経済成長の基盤づくりに努めて頂ければ幸いです。

 当組合も賛助会員制度を昨年新たに導入致しました。昨今の対応すべき課題がより産業横断的になっている現状下、機械産業以外の皆様にとっても意義あるサービスが提供できるよう努めて参ります。

 2025年における皆様の益々のご発展を祈念するとともに、日本機械輸出組合に引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます


以上