マレーシアにおける貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
9. 輸出入規制・関税・通関規制
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
日機輸
日鉄連
(1) 輸入税免税の判断基準の不透明、手続の煩雑・遅延 ・2006年12月、現地ミルが生産を開始して以降、電気亜鉛めっき(EG)鋼板の輸入免税枠取得に長期間を要する。
2009年8月1日、鉄鋼産業政策の見直しにおいて、輸入品割合制度、セクター用途免税制度が撤廃された。国内で製造できないものに限り免税を認める。
(問題点)
政府(MIDA)の免税条件の「国内製造の可否」の判断基準が不透明のため、安定供給の障壁、障害となっている。具体的には申請量を減じて認めるケース、免税許可まで期間をかけるケース、輸入者毎に採否が分かれるケース等がある。また、判定に供給能力、ユーザーの評価・意見が考慮されていない。
2013年2月1日から熱延鋼板に関する18の工業規格に該当する品種について免税制度の適用を廃止することを公表。
また、19の工業規格については、同年3月に発足したMIDA・免税委員会にて許可が下りれば免税措置を適用。
2016年4月、従前認められていた、再輸出向け製品の原材料に対する免税制度が廃止され、関税還付制度(duty drawback)に変更。
・担当職員によって免税必要条件等の意見が分かれ計画通りに進まない事がある。
1回目の輸入時と2回目の輸入時で関税判断が変わる事がある。
・手続きの円滑化。
・免税制度の基準の透明化。
・透明性の確保及び明確な判断基準の提示。
    (対応)
・マレーシアの通関に要する時間は通関港によって異なる。2004年時点で、一般に通関に1〜3日間を要している場合が大半であった。但し、クアラルンプール国際空港(KLIA)及びジョホールコーズウェイ&セカンド・リンク(シンガポールから陸送される貨物用)の通関時間は平均1〜12時間と相当短くなっている。
・2004年6月1日より指定企業に対するCustoms Golden Clients(CGC)プログラムという迅速な輸入通関手続を試験的に開始している。CGCプログラムは、税関と指定輸出者をオンラインで結び、CGC指定企業は輸入時に輸入申告書を提出することなく自社の施設に輸入品を搬入・保管することができ、通関手続は2週間以内に完了すればよい。
・2007年10月25日に開催された日馬EPAの第2回ビジネス環境小委員会において、日本側より、地場のEGミル新設と生産開始に伴い日本製EG鋼板の輸入手続きで免税枠がとり難くなっている問題の改善を求めた。馬側から免税枠について継続的な議論の場を設けるとの回答があった。
・マレーシア国際貿易産業省(MITI)は、電子特恵原産地証明書(EPCO)の申請を2009年1月1日に実施することを公表した。EPCOの実施は、コスト分析(CA)及び特恵原産地証明書(CO)フォームのオンライン申請を対象とするものである。但し、このEPCOは、まずはMITIクアラルンプールに提出されたCA及びCOのフォームに適用されるものとし、その他のMITIの州事務所におけるEPCOの実施については、後日公表される。
・2014年5月、「2013年関税(免除)令」「2013年売上税(免除)令」が実施され、機械、設備、スペアパーツ、消耗品、原動機、コンテナトレーラーに対する輸入税と売上税の免税手続きが簡素化される。
対象となる企業は、自由地域(FZ)以外の主関税地域(PCA)に拠点を設ける製造業者に加えて、ホテル事業者、運送事業者。
JEITA
日機輸
(2) FTAオンライン申請時の部品登録数の制限 ・FTAのオンライン申請において、各製品毎に250の部品までしか登録できないが、ほとんど全ての家電製品は250以上の部品で構成されるため、250品目を超えた部品に関しては全て一点毎マニュアル登録を余儀なくされている。 ・ユーザニーズを踏まえたシステム改善をお願いしたい。例えば、オンラインで登録可能な部品を1,000品目まで増やして欲しい。
日鉄連
(3) 輸入許可(I/L)制度 ・1982年11月25日、現地ミルの稼動に伴い、線材(普通鋼)、棒鋼・線材(合金鋼)のI/L制度を制定。
・1985年8月15日、ビレット、再圧延用コイルのI/L制度を制定。
・1999年4月2日、熱延・冷延鋼板のI/L制度を制定。
熱延は現地ミル稼動のためで、冷延は市場動向把握のため。
現地ミルによるApproval Permissionが必要となる。
・2013年3月1日、Customs Order 2012により上記合金鋼が対象外となる。
・2014年1月1日、7227類が追加。
・2015年10月、膨大な申請書類の準備、登録システムの不具合等、申請者に大きな作業不可が継続。
・2017年8月、熱延鋼板、冷延鋼板、表面処理鋼板、鋼管類の一部HSコードに対する輸入ライセンスの取得が廃止。
・制度の撤廃。
    (対応)
・2005年7月5日、マハティール前首相は、自動車輸入許可証の発行に関し、APの発行数と輸入価格の不正申告の問題があると発言し、AP制度の厳格な運用を求めた。2005年10月発表されたNAPにおいて新規ブランドへのAP発給の停止が盛り込まれた。
・2002年3月、マレーシア政府は、米国の鉄鋼産業保護政策に対抗して、鉄鋼輸入関税増加など自国内の鉄鋼産業の保護策を打ち出した。但し、自動車、電機・電子産業、FZ:LMW、CEPTレートなどを対象から除外した。また、鉄鋼製品に対するAD提訴の動き、セーフガード規則の導入の動きがある。
・2008年11月、政府は、鉄鋼54品目のI/L(AP)を廃止し、57品目の輸入関税を撤廃した。
・2008年11月、政府は輸入する鉄鋼57品目に対して国内企業と同様に強制規格であるMS規格への適合検査を義務付け、通関時に検査済み証明書(COA:Certificate of Approval)の提出を求めた。
・2012年6月13日、国際貿易産業省は、輸入された合金鋼製品の品質安全を確保し増大する規格外製品の輸入を抑制することが目的として合金鋼製品(HS7225)8品目の輸入に関して、ライセンスの取得を義務化することを発表した。6月15日に施行された。(根拠法:関税(輸入禁止)(改正)(No.2)令2012)
・2013年1月22日、国際貿易産業省は、国内調達が可能となった熱延鋼板18品目の輸入免税措置を国内販売向け輸入品に限定して撤廃すると発表した。
・2014年6月25日、マレーシア財務省、輸入制限対象品目リストを拡大;鉄鋼・鉄鋼製品(HS72及び73)に3品目を追加(形鋼(7222.40)、構造物及びその部分品(7308)、屋根瓦(7326.90.500))(7月1日より実施)。
    (改善)
・2001年5月、輸入許可証が必要な産品リストを修正し、HSコード85類の一部品目について電力供給局の輸入許可証を不要とした。
・2008年1月、国際貿易産業省は、建設機械26品目の輸入許可証(AP)を廃止した。
・2008年5月、国際貿易産業省は、棒鋼(HS7214.10.110、HS7214.20.910)、ビレット(HS7207.11.900、HS7207.12.900、HS7207.19.900、HS7207.20.900、HS7207.20.990)の輸入許可証(AP)を廃止し、輸入税を撤廃した。また、鉄鋼について上限価格を完全撤廃した。
・2008年6月、国際貿易産業省は、録音・再生機、ディスク・テープ等録音・記録メディア13品目について輸入許可証(AP)を廃止した。
・2009年8月1日から、国際貿易産業省は、
�々殀弔陵�入ライセンス(CAP)は、モニタリングとデータ収集を目的として継続するが、鋼板の輸入ライセンスは不要。
��熱延、冷延、電気亜鉛めっき鋼板(EG)の輸入に関する現地材と輸入材の調達割合に基づく輸入管理を廃止した。
・2013年3月1日、Customs Order 2012により上記合金鋼(広幅鋼板類(HS7225))が対象外となる。
日鉄連
(4) セーフガード措置の濫用 ・2016年5月28日、MITIがMalaysia Steel Associationの要請により、鉄筋用棒鋼に対するセーフガード調査を開始。
2016年9月23日、仮決定の官報公示。暫定SG税13.42%(40ヵ国を対象に2016.9/26〜2017.4/13の間賦課)。
2017年4月13日、最終決定の官報公示。40ヵ国を対象に13.42%(17/4.14〜18/4/13)、12.27%(18/4/14〜19/4/13)、11.10%(19/4/14〜20/4/13)。
・2016年5月29日、MITIがMalaysia Steel Associationの要請により、線材・バーインコイル(鉄筋用)に対するセーフガード調査を開始。
2016年9月23日、仮決定の官報公示。暫定SG税13.90%(42ヵ国を対象に2016.9/27〜2017.4/14の間賦課)。
2017年4月23日、最終決定の官報公示。42ヵ国を対象に13.90%(17.4/15〜18.4/14)、12.90%(18/4/15〜19/4/14)、11.90%(19/4/15〜20/4/14)。但し、直径16.0�伉供�炭素含有率0.60%以上のものは除く。また、自動車、電機・電子、オイル・ガス、耐震建築用は除外。
2017年8月4日、高等裁判所がSteel Wire Association of Malaysia (輸入者団体)の不服申立を受け、judicial reviewを実施する旨決定。
・調査中止。
・調査中止、もしくは再輸出向けの除外。
    (対応)
・2012年8月16日、the Malaysian Safeguards (Amendment) Act 2012が発効した。改正法40A条を新設して、マレーシアが実施する貿易協定において合意された条件に従って、マレーシアが特定国にセーフガード調査を行い、政府ガード措置を課すことを許容している。また、同法28条を改定して、セーフガード調査に従って全ての輸入製品にセーフガード税と数量割り当てを適用する確定措置を適用できるようにした。
・2014年8月、国際通商産業省(MITI)は、国内鉄鋼メーカー、ジー・カン・ディメンシーから請願書を受け、鉄鋼・厚板類に関するセーフガード調査を開始した。
・2016年5月27日、国際通産省は、鉄筋コンクリート用棒鋼及び鋼線材に対するセーフガード調査を開始。
    (改善)
・2011年8月22日、調査の打ち切り。シロ決定(2010年1〜9月の間に輸入量は35%増加したものの、国内産業を脅かすものではないとの判断)。
・2016年1月8日、マレーシア国際通産省、熱延コイルに対するセーフガード調査でシロの仮決定(同調査終了)。
建産協
(5) 中国製低価格品の流入 ・中国からの安い原材料の流入による市場価格下落と現地法人の製造コストのアンマッチ。 ・適正な関税による市場価格の維持。
日機輸
(6) TPP協定の暫定案文のISDS条項に対する懸念 ・TPP協定の暫定案文第9章(投資章)にあるISDS条項(Investor-State Dispute Settlement Clause:投資家対国家間の紛争解決条項)により、TPP参加国とのビジネスにおける偏った訴訟リスクの懸念がある。 ・ISDS条項に対する再検討。 ・TPP協定の暫定案文
    (対応)
・2016年2月に12か国がTPP協定に署名したが、2017年1月に米国が離脱宣言をしたため、11か国の閣僚がTPP早期発効に向けた検討を行うことで合意し、同年11月にベトナムで開催されたTPP閣僚会合において、TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定:CPTPP)を大筋合意した。
2018年3月8日には、我が国を含めて11か国の閣僚がチリのサンティアゴで開催されたTPP11署名式において署名を行った。新協定では、凍結項目にISDS(投資許可、投資合意)関連規定(第9章)が含まれた。
【TPP 11】第二条特定の規定の適用の停止(凍結)締約国は、この協定の効力発生の日に、この協定の附属書に掲げる規定の適用を停止する。締約国は、これらの規定のうち一又は二以上の規定の適用の停止を終了させることに締約国が合意する時まで、当該規定の適用を停止する。

・2018年7月20日現在、我が国を含む3カ国が国内手続を完了し、協定の寄託国であるニュージーランドに対し通報済み。
日本政府は、2018年7月6日、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)の国内手続の完了について、本6日、茂木経済再生担当大臣から駐日ニュージーランド大使に伝達するとともに、在ニュージーランド大使館から寄託国であるニュージーランド政府宛てに通報を行った。

・2018年12月30日、TPP11協定発効。
日機輸

(7) 液晶モニター(IDP/IWB)の関税分類 ・液晶モニター(IDP/IWB)の輸入通関において、従来より、分類「その他カラーモニター(8528.59.10.00 / 関税25%)」で輸入通関。WCOのHSコード改定(HS2017)後、新設された分類「PCに直接接続でき、それと共に使用するよう設計されたモニター(8528.52.00.00 / 関税0%)」での輸入通関に取組み中。 ・関税分類のルールに則った適正な関税分類になるように働きかけて頂きたい。 ・CO(世界税関機構)のHSEN(関税分類解説)の通則(1、6)
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
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