ロシアにおける貿易・投資上の問題点と要望
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本表の見方 |
9. 輸出入規制・関税・通関規制 |
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経由団体※ |
問題点 |
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈 |
要望 |
準拠法、規則、運用 |
時計協 日機輸 日商 |
(1) 高輸入関税 | ・腕時計の輸入関税率は、従価率となっている。 −腕時計(ケースに貴金属を使ったもの):7% −腕時計(上記以外のもの):7% −クロック:15% ・単機能プロジェクタが無税(ITA製品)である一方で、多機能プロジェクタに高関税を課す国が散見される。 ・輸入関税が他国と比較して高額である。 |
・関税の撤廃または低減。 ・問題解決への働きかけをご検討いただきたい。 ・今後の動向についても継続的に情報をご提供いただきたい。 ・水準の適正化検討をして頂きたい。 |
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(参考) ・民間の貿易情報サイト(ロシア語)。 (http://www.tks.ru/db/tnved/tree) |
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(対応) ・ロシア、ベラルーシ、カザフスタンが創設した関税同盟の体制の一環として、3カ国で統一した規定や手続を定める「統一関税基本法」、ロシア国内の税関制度(特に関税機関の構造、関税支払手続等)を定める2010年11月27日付連邦法第311−FZ号、「ロシア連邦における税関規制について」(2010年末に発効)の2つが貿易取引に関する基本原則を規定。関税同盟の規定、連邦税関局(旧国家税関委員会)の法令、税法等においても、輸入取引を規定。 |
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(改善) ・2012年8月、ロシアはWTOに正式に加盟した。 |
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日機輸 |
(2) 関税の突然の変更 | ・国家財政の都合、一部企業のロビイング等で輸入関税が度々変更。ロシアで全く生産されていない品目の関税値上げ案が突如出てくるなど、国際ルールになじまない内容が見られる。 例:空気清浄機の関税が0%→5% |
・2012年にロシアはWTOに加入したが、TV関税引き上げや冷蔵庫関税が合意に反する等、要注視。 | |
日機輸 |
(3) 関税分類の恣意性 | ・これまで空気清浄機(加湿機能付)を「気体のろ過機及び清浄機」(関税分類番号8421.39.200)として関税0%で輸入通関してきたが、2017年4月以降、税関が「その他の家庭用電気機器」(8509.80.000 / 関税5%)分類を主張し、税関主張の分類で輸入通関を余儀なくされている状況。 ・HSコードの修正要求リスク(税率の高い分類への修正を必ず要求される)がある。当社に限らず多くの企業が悩まされており、最高裁で敗訴した(0%→5%)日系企業もあると聞いている。 |
・関税分類ルールに則った適正な関税分類になるように働きかけて頂きたい。 ・ロシアにおける適用HSコードの運用を明確化してほしい。 |
・適用HSコード ・WCO(世界税関機構)のHSEN(関税分類解説)の通則(1、6)及び第16部注3 |
時計協 自動部品 日機輸 |
(4) 輸入手続きの煩瑣・遅滞 | ・時計の輸入通関に際し、インボイス上にアイテム毎に重量、材質、メーカー名等を記載しなければならず、又品名等をロシア語で表記しなければならないため、手間がかかり緊急対応が難しい。 ・都度、Agreementの様な契約書類が必要な上、Invoiceの記載事項が複雑で、Packing Listは詳細な情報が要求される為、何度も修正する必要がありフライト迄に手間と時間がかかってしまう。 ・申告時に低価格申告と見なされたり、HSコードの相違がある場合に税率の高い分類へ修正するよう要求されるなどの指摘を税関から受けると、数多くの追加書類提出を求められる。申告者側が根拠を揃えて潔白を証明する必要あるが、双方向の議論ではないため、時間と労力がかかる。 ・輸入通関書類が多く煩雑である状況が継続。 通関ポストによって必要書類が異なる、税関担当者によって判断が異なる状況に変化なし。 |
・通関手続の簡素化。 ・通関手続の改善。 ・アイテム毎の表記制度の撤廃。 ・英語による記載も可とすること。 ・欧米諸国並みのレベルへ簡素化して頂きたい。 ・手続きの軽減を求める。 ・必要書類の簡素化。 ・透明性の高い制度、ルールへの変更。 |
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(参考) ・貿易に関する法令や通達などは、ロシア連邦税関局ウェブサイトを参照。 (http://eng.customs.ru/) |
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日機輸 |
(5) 通関手続の代表者署名要求 | ・通関の際、プライスリスト等の必要提出書類の多さとともに、輸出者からのインボイス全てに会社の代表者が肉筆で署名することが求められており、事務上の負担が大きい。 | ・印刷された代表者もしくは代表者が権限を委譲した者の電子署名を認めて欲しい。 | ・関税法 |
自動部品 |
(6) 煩雑な輸出書類 | ・自動車部品をロシアへ輸出するにあたり、通常のインボイス、Packing list類の他に下記書類を準備する必要があり、輸出業務が他の国と比較して煩雑となっている。 −Contract:輸出者と輸入者と契約書で、記載される総額を使いきると再契約が必要。 −Appendix:オーダー毎の契約書。 −Free of charge supply Agreement:無償部品の出荷の際に必要な契約書。 |
・Contractは、不要として頂きたい。 | |
日機輸 |
(7) 通関禁止品の存在 | ・駐在員の引越しや駐在員への福利厚生面での出荷において、食料品全般、医薬品全般が禁止品。サンクトペテルブルグ通関に限りパソコン機器の通関が航空便では不可。 | ・輸入に関する規則の緩和、予見性確保の為、全輸入ポイントにおける共通通関ルールの徹底。 | |
日鉄連 |
(8) 輸入枠 | ・2005年1月、ロシア政府は従来の鋼管輸入数量枠協定に代わる新たな協定を目指して、2005年1月にウクライナの鋼管ミル5社と2005年の輸入枠を39.5万トンとし、2006年以降輸入枠を毎年2%拡大することで合意。 2004年2月1日〜2005年11月30日の予定、対ウクライナ亜鉛めっき鋼板輸入枠を設定し、年間11万トン(月1万トン)に制限。反ダンピング措置と同時に適用。 |
・制度の撤廃。 | |
日機輸 |
(9) 関税同盟 | ・三国関税同盟成立に伴い、製品安全関連規制の変更や環境関連規制の制定により、同規制の要求するロシア語やカザフ語での記載項目など、国際規格やEU法と異なる対応が要求され、負担が増加する。 ・関税同盟の認可取得プロセスが三国間で異なるため、認可申請に準備する資料が異なる。また、三国でそれぞれ異なる通関チェックを行うため、国ごとに認可申請が必要となる場合がある。 |
・産業界に不要な負担が発生する為、国際規格に極力準拠し、負担を増やさない方向で進めてほしい。 ・三国間での共通の認可取得プロセスの構築と、通関時のチェック内容の透明化を望む。 |
・三国関税同盟 ・関税同盟技術基準020/2011、004/2011 |
日機輸 |
(10) AEO制度の不明確 | ・AEO制度のメリットが不明確。 | ・保証金の引き下げ、管理の要件緩和によるAEOを取得しやすい環境つくり。 ・関税納付の延長、輸入検査率大幅削減、リードタイムの大幅短縮等メリット拡充。 |
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日機輸 |
(11) 修正インボイスの規制 | ・オリジナルインボイスの金額修正を行いたい場合、通関後は修正インボイスを発行すると追徴金が課されるため、機動的な修正対応ができず、オペレーションが煩雑になっている。 | ・当該規制の撤廃。 | ・関税法 |
日機輸 |
(12) 輸入規制 | ・過去、トルコ軍がロシア戦闘機を撃墜した際、トルコからの輸入通関検査が著しく強化され、トルコにある当社関連会社も操業が圧迫された。 | ・突然特定の国からの輸入を制限するような措置を取らないでほしい。少なくとも、最低限のリードタイムを設けてほしい。 | |
JTA 日機輸 |
(13) 輸入代替化政策 | ・当社経由で納入していた高品質パイプがロシア産品により代替されたが、将来、耐久性等の問題が発生する可能性がある。トップダウンによる右倣えの強引な国産化は、結果として事故やプロジェクトの遅延を招く懸念がある。 ・政府による輸入代替政策として、ロシアで生産された工具でなければ、今後の公共調達への参入が制限される可能性が高まっている。 |
・極端な輸入代替政策を取らず、外資系企業との協業による国内の技術発展を図るべき。 ・輸入規制に関する詳細な情報提供、および規制緩和に向けてご尽力いただきたい。 |
・連邦法第44-FZ号 |
フル工 自動部品 |
(14) 並行輸入可能の懸念 | ・ロシアの関税同盟国で認められている並行輸入禁止(商標権保護のための輸入水際措置:管轄庁:特許庁、税関当局)に関して、公正取引委員会が並行輸入業者に加担し並行輸入を認めさせようとしている。並行輸入が可能となれば、ロシアでの投資・プロモーション活動に必要な費用を補うだけの利益が確保できず、ブランド力低下・事業運営の継続が困難となる重大な懸念あり。 | ・並行輸入禁止の維持。平行輸入禁止が市場競争を阻害する点、独占禁止法に抵触するものではない点を公取当局に理解頂きたい。 | ・ロシア連邦税関法第38条 税関の講じる特定物品に関する措置 ・ロシア民法1487条 ・並行輸入に対して不正競争を扱う行政犯罪法第14.33条 |
日機輸 |
(15) 税関によるリスクコントロールシステム運用の不備 | ・税関によるリスクコントロールシステムで低価格申告とみなされることが未だ散見される。 | ・課税標準価格を明確化し、正しく運用して欲しい。 | ・リスクコントロールシステム |
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