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WTO投資ルールとドーハ閣僚宣言
ドーハ閣僚宣言
2001年11月にドーハで開催された第4回WTO閣僚会議において、1996年の第1回シンガポール閣僚会合で設置が合意された貿易と投資の関係に関する作業部会(以降、「作業部会」)での議論を続行し、第5回閣僚会議までの間、同作業部会で@範囲と定義、A透明性、B無差別性、CGATSタイプのポジティブ・リスト方式に基づく設立前の約束に関するモダニティ、D開発条項、E例外と国際収支セーフガード、F加盟国間の協議と紛争解決の7つの論点及び技術支援/キャパシティ・ビルディングに焦点を当てて議論し、第5回閣僚会合でコンセンサスが得られればその後に交渉を開始することになった。⇒ドーハ閣僚宣言パラグラフ20から22:英文(WTOウェッブサイト)、日本語仮訳(日本機械輸出組合事務局)
作業部会会合
4月18,19日に開催された貿易交渉グループ(TNC)設置後の最初の作業部会では、「キャパシティ・ビルディング」、「範囲と定義」、及び「透明性」の3点について議論された。
- 1.キャパシティ・ビルディング:
- 投資分野でのキャパシティ・ビルディングと技術支援の重要性に留意し、UNCTADなどの国際機関やその他の地域・2国間枠組みとの連携の必要性を確認。
- 2.範囲及び定義:
- 加盟国によって「投資」の定義について様々なバリエーションの意見があったが、大きく分けて、「投資」がFDI(長期の直接投資)だけを対象にするか、これに短期のポートフォリオ投資を含めて広く対象とするかが議論の中心となった。(なお、投資の分類については、国連中央生産分類(CPC)についてを参照)
- 3.透明性
- 透明性については、WTO事務局メモで(i)関連する法令や政策の公開、(ii)関連法令やその改正の利害関係者への通知、(iii)一貫した公平で合理的な法令の適用の三つの要素があるとされている。作業部会では、透明性自体の重要性に反対する声はなかったが、上の(i)、(ii)については、途上国の実施能力への配慮について加盟国によって広く認識されとされている。(iii)については、これを透明性」に含めることに対し、一部の開発途上国からこれを不適切とする意見があったと言われる。⇒(参考)WTO諸協定における透明性条項
7月3-5日に開催された作業部会では、「無差別性」、「GATS方式のポジティブ・リスト・アプローチに基づく進出前の約束のモダリティ」、「開発条項」の3点が議論された。
次回の作業部会会合は、9月16-17日、それ以降は11月に開催される予定となっている。
なお、これらの会合に備えて加盟各国から出された提案及びWTO事務局からのメモは、新交渉に向けての提案を参照下さい。
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