米国通商関連知的財産権情報
(執筆:米国特許弁護士 服部健一氏)
米国特許法関連改正動向、米国特許重要判例の解説
2024年7月号 (316KB) | ||
●発明内容を送信するというクレーム限定は特許性をもたらさないという印刷物法理は、クレーム限定の暗号化通信とプログラムコードによる通信には適用されないとCAFC逆転判決 1.概要 2.IOENGINE, LLCの米国特許 3.米国特許庁審決 4.CAFC判決 5.考察 |
米国特許法101条の特許適格主題に関する情報
クレーム範囲を減縮補正して特許を得た場合には、特許再発行で放棄した主題を取り戻すことは出来ないという再取得禁止の原則(Recapture rule)は、101条の特許適格主題の拒絶で減縮した場合にも適用されるとCAFC判決 (2022年12月号 No.2)
米国議会の上院、特許適格主題を具体的に規定する100条そして101条の改正法案を発表 (2022年10月号)
複雑な従来技術をコンピュータによって計算精度を改善しただけでは技術的に 十分な改善ではないので101条の特許適格主題とはいえず、また審判で提起し なかった議論を控訴で主張することはできない (2022年1月号)
米国特許商標庁の101条特許適格主題判断の最近の動向 (Recent Trend of USPTO’s Decisions on §101 Subject Matter Eligibility)
米国特許法101条の特許適格主題に関する情報 (2019年6月号)
全米法曹協会(ABA)も101条の改正案を発表 (2017年4月号)
米国では何故101条の特許主題(特許事由)が問題となるのか (2016年11月号)
米国特許庁、101条の特許主題の決定のためのガイドライン発表 (2014年5月号)
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米国通商関連知的財産権情報 Back Number
2024年5月号 (843KB) | ||
●販売装置の取扱説明書は、たとえ著作権マークそして 秘密保持条項があって装置購入者の利用は制限されていても、 装置購入者が販売者から容易に入手出来る限り取扱説明書は 米国特許法第102条の「印刷刊行物」になり得るとCAFC判決 1.要約 2.Provisur社の2件の米国特許 3.IPR請願 4.CAFC控訴 5.まとめ |
2024年4月号 (658KB) | ||
●特許侵害の範囲は原則としてクレームの記載で決定され、 均等論侵害の適用は例外で限定的であり、特定的で整合する証拠で 立証されなければならないとCAFC判決 1.概要 2.均等論侵害 3.連邦巡回区控訴裁判所 4.まとめ ●米国特許庁、デザイン特許出願のみの代理人制度の導入を発表 米国市民か永住権を有する外国人のみに適用される 1.概要 2.背景 3.デザイン特許出願の増加 4.デザイン特許出願担当審査官との整合 5.施行規則(37CFR)の主要改正点 6.37 CFR § 11.6の国籍要件 7.まとめ |
2024年3月号 (610KB) | ||
●当事者系レヴュー(IPR)において特許権者が最初の応答で主張しなかった自明性を否定する理由をその後の再応答で初めて提起した場合は、審判部の許可が必要になり、許可を得なかった場合は審判部がその主張を削除しても裁量権の濫用にならず、特許無効とした審決は正しいとCAFC判決 1.概要 2.当事者系再審査 3.CAFC控訴 4.考察 |
2024年1月号 (642KB) | ||
●クレーム中の部材に“a”という不定冠詞が付いている場合、“a”は1つのみならず複数も含むように解釈されるのが英語の基本ルールであり、特許の内部証拠もそれを支持していることから、1つのみに解釈した審決をCAFC逆転判決 1.はじめに 2.Cytonome社の439特許 3.当事者系レヴュー 4.CAFC控訴 5.まとめ ●クレーム解釈が内部証拠(明細書、クレーム、審査歴)から不明確な場合、外部証拠(専門家証人、専門誌等)を参照しなければならないとするCAFC判決 1.はじめに 2.Actelion社の2つの米国特許 3.Mylan社のジェネリック医薬品と簡略新薬承認申請 4.CAFC控訴 5.まとめ |
2023年12月号 (688KB) | ||
●米国特許商標庁、半導体デバイス特許出願の審査の着手を 迅速に行うパイロット・プログラムを始める 1.概要 2.対象技術 3.対象米国特許出願 4.出願方式 5.請願(petition) 6.米国特許商標庁の措置 7.クレームの制限 8.請願制度の運用 ●クレーム発明は特定の機能を有する物質を記載しており、 検討対象となる物質が非常に多数あり、各物質がその機能を有するかは 1つ1つ実験しなければ特定できない場合、112条の実施可能要件を満たしておらず、特許は無効であるとするCAFC判決 1.はじめに 2.Baxalta社の590特許 3.地裁訴訟 4.CAFC控訴 5.まとめ ●米国特許庁、デザイン特許代理人制度の制定を発表 1.はじめに 2.背景 3.デザイン特許出願の増加 4.デザイン特許担当審査官との整合 5.施行規則(37CFR)の主要改正点 6.37 CFR § 11.6の国籍要件 7.まとめ |
2023年9月号 (728KB) | ||
●特許発行から2年以内の特許再発行出願はクレームを拡大出来るものの、原特許(original patent)の発明の必須の構成要件を削除してはならないとCAFC判決 1.概要 2.背景 a. FNG社の米国特許第9,771,132号 b. FNG社の特許再発行出願 3.CAFC控訴 4.まとめ |
2023年8月号 (606KB) | ||
●特許製品をトレードショーに発明が理解出来るように展示して配布した場合はそれから1年以内に特許出願しなければ公共使用で特許は無効になるとCAFC判決 1.概要 2.Minerva社の208特許 3.AAGL2009トレードショー 4.地裁訴訟 5.CAFC控訴 6.解説 |
2023年7月号 (838KB) | ||
●特許適格主題を具体的に規定して再生するために 100条そして101条を改正する上院法案発表される 1.概要 2.議会の認識 3.100条(b)の「プロセス」の定義の改正 4.100条(k)の「有用性(useful)」の定義の新設 5.101条の全面的改正 a.101条のタイトルは従来は「特許性のある発明(Inventions patentable)」であるが、patentableは実体審査を含み得る規定なので、101条は実体審査に入る前の問題である「特許適格性(Patent eligibility)」である事を明確にするように修正されている。
b.101条(a)c.101条(b) d.101条(c)(1) e.101条(c)(2) 6.特許適格手段判断のフローチャート 7.今後の状況/解説 |
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●特許に対する適切な先行技術になるためには、①その先行技術は特許と同一か類似技術であるか、あるいは②類似技術でない場合は その先行技術は特許において問題となっている課題と適切に関係していなければならない 1.はじめに 2.Safoni再発行特許 3.MylanのIPR請願 4.CAFC控訴 5.まとめ |
2023年6月号 (836KB) | ||
●米国特許訴訟、陪審員公判における6つの判決 評決はその内の1つにしか過ぎない I. 特許訴訟手続概要 A.概略 B.プリーディング(訴答) C.ディスカバリー D.公判(trial) E.証拠 II.立証プロセス A.裁判における6つの判決 B.立証基準 資料1-3の総括 資料1:プリーディング判決(訴答判決) ● 汎用コンピューターを用いて手動プロセスを自動プロセス的に記載しただけでは発明的改善にならないのでIBMの2件のコンピュータ利用のプロセスクレームは特許不適格主題であり、特許無効という地裁のプリーディング判決をCAFCが支持
資料2:サマリー・ジャッジメント(略式判決) ● 米国特許法の発明者は自然人であり、AIは発明者になれないというバージニア州連邦地裁の略式判決(サマリー・ジャッジメント)をCAFCが支持
資料3:JMOL判決特許クレーム ● MobileMedia Idea社のAppleのiPhoneに対する特許侵害訴訟でのJMOL判決経緯 |
2023年5月号 (564KB) | ||
●出願前に出願人自身による公共使用があったという先行技術は、 クレーム発明が装飾的の場合、その出願の一年前にクレーム発明の写真と説明書を公共に頒布していたことによって成立する 1. はじめに 2. 背景 a. WinGen 社の959特許 3. CAFC判決 4. まとめ |