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貿易保険制度の概要

契約形態と保険の種類

 契約の形態により対応する保険種は異なります。このため、契約の形態を正しく把握することが必要です。


契約の分類

 大きく分けて、以下の3つに分類されます。


(1) 「輸出契約」
(2) 「仲介貿易契約」
(3) 「技術提供契約」
図

注1:
役務とは本邦役務、仲介役務及び現地役務をいいます。
注2:
現地調達品代金が契約金額の50%を超える場合、その現地調達品代金部分については、貿易一般保険の付保対象外となります。

 一つの契約の中に「本邦貨物」「仲介貨物」「技術等の提供(役務)」が含まれている場合は、契約金額から、現地調達品代金(契約書上、金額が明記されていない場合は「役務」として扱う。)を控除して残った部分、即ち、「本邦貨物代金」「仲介貨物代金」「役務代金」を比較します。



図


貿易保険への対応

 契約形態ごとに説例に沿って対応する貿易保険との関係を説明しますと、次のとおりになります。

(1)輸出契約(貿易保険法第2条第1項、同法施行令第1条第1項)
 本邦内で生産され、加工され、又は集荷される貨物を輸出する契約であって、貨物の名称、型、又は銘柄及び数量、仕向国、船積時期並びに取引条件(代金、引渡条件、決済条件等)について定めがあるものをいう。

図
てん補するリスク 対応する保険
貨物の船積前リスク
1.貿易一般保険(組合)包括保険(設備財、消費財)
輸出組合に加入している企業

2.企業総合保険
(株)日本貿易保険と特約を締結している企業

3.貿易一般保険(個別保険)
上記の組合包括、企業包括保険に該当しない企業

代金回収リスク


(2)仲介貿易契約(貿易保険法第2条第12項、同法施行令第1条第6項)
 本邦法人又は本邦人が一つの外国の地域において生産され、加工され、又は集荷される貨物を他の外国の地域に販売し、又は賃貸される契約であって、貨物の名称、型、又は銘柄及び数量、船積国、仕向国、船積時期並びに販売又は賃貸の条件について定めがあるものをいう。

図


 [1]設備仲介 〔「仲介貨物」>「本邦貨物」≧「役務」〕
図
てん補するリスク 対応する保険
貨物の船積前リスク
1.貿易一般保険(組合)包括保険(設備財)
輸出組合に加入している企業

2.企業総合保険
(株)日本貿易保険と特約を締結している企業

3.貿易一般保険(個別保険)
上記の組合包括、企業包括保険に該当しない企業

代金回収リスク

 [2]技術仲介 〔「仲介貨物」>「役務」>「本邦貨物」〕
図
てん補するリスク 対応する保険
貨物の船積前リスク
1.貿易一般保険(企業)包括保険(技術提供契約等)

2.貿易一般保険(個別保険)
上記の企業包括保険に該当しない企業

代金回収リスク

 [3]100%仲介 〔「仲介貨物」 = 100〕
図
てん補するリスク 対応する保険
貨物の船積前リスク
1.企業総合保険(仲介貿易を選択している場合)

2.貿易一般保険(個別保険)
上記の企業包括保険に該当しない企業

契約金額全体(前受金は除)の代金回収リスク


(3) 技術提供契約(貿易保険法第2条第5項、同法施行令第1条第2項)
 外国において技術の提供又はこれに伴う労務の提供をし、その対価の全部又は一部を本邦へ向けた支払いにより受領する契約であって、技術又は労務の内容、仕向国、提供の時期及び方法並びに提供の条件について定めがあるものをいう。

図
てん補するリスク 対応する保険
貨物の船積前リスク
1.貿易一般保険(企業)包括保険(技術提供契約等)
(株)日本貿易保険と特約を締結している企業

2.貿易一般保険(個別保険)
上記の企業包括保険に該当しない企業

契約金額全体(前受金は除)の代金回収リスク




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